大会を盛り上げたのは、コース上の熱戦だけではない。来場者がゴルフ観戦以外でも楽しめる企画が数多く用意されていたことも、今大会の特徴だった。その一つが、2日目の午後5時30分から行われた、神奈川県出身の4人組レゲエグループ『湘南乃風』によるライブだ。ゴルフ好きとして知られるRED RICE(レッドライス)は、ライブ中にこう語った。
「こんな素晴らしい大会で(ライブを)やるだけでもすごいのに、最後に俺らみたいなもんに音楽を添えさせていただいて、常に新たな挑戦をし続けるその姿勢に、本当にゴルフへの愛、リスペクトを感じてます」。これは、ゴルフファンだけでなく、これまでゴルフに触れる機会がなかった人にも大会を知ってもらい、会場に足を運んでもらうための仕掛けでもあった。
PGAツアーのアジア太平洋地域社長を務めるクリス・リー氏は、今回のようなイベントを企画した理由について、次のように説明した。「スポンサーのベイカレントと協議し、熱心なコアファンだけでなく、これまでゴルフに触れる機会のなかった層を会場に呼び込み、ゴルフの素晴らしさに触れてもらう戦略をとった」。さらに3日目は、花火大会も開催された。
大会から公式なギャラリー数の発表はなかったものの、3日目終了時点で、リー氏からは「ファンの皆様の熱いご支援に深く感謝する。すでに昨年の動員実績を上回っている」という話があった。
世界トップクラスの選手たちが集う舞台があり、その魅力を存分に味わおうとコースに足を運ぶギャラリーがいる。そして大会側はゴルフの裾野を広げようと新たな企画に挑戦した。さまざまな人たちの思いが重なり、この1週間は熱気に包まれた。
天候にも恵まれた大会だったが、何よりも印象に残ったのは、選手のプレーに沸き立つギャラリーの姿と、国や言葉の違いを越えてゴルフを通じて気持ちがつながる瞬間だった。最終18番グリーン周辺に広がった、あの鮮やかな景色は、忘れられない。(文・高木彩音)
