<全英オープン 3日目◇18日◇ロイヤル・バークデールゴルフクラブ(イングランド)◇7223ヤード・パー70>
7番パー3で約9mのバーディパットを沈めると、コースにはひときわ大きな歓声が響いた。地元サウスポート出身のトミー・フリートウッド(イングランド)は、この日もホールを回るたびに温かい拍手と声援に包まれる。「お〜、トミー! トミー!」。フットボールの応援歌のメロディに合わせた大合唱が響き渡る。全英オープン制覇はフリートウッドが幼い頃から追い続けてきた夢であり、地元サウスポートの人々にとっても悲願となっている。
11番パー4でセカンドを80センチにつけて、この日3つめのバーディ。首位と1打差の4位に浮上した。しかし終盤、15番パー3でグリーン右に外したアプローチを2mに寄せたが、パーパットを決め切れずにボギー。最終18番パー4もティショットが左バンカーにつかまるなどボギーで後退。「終盤は本当に残念だった」と「69」で回り、首位と5打差のトータル5アンダー・9位タイで最終日を迎える。
「伸ばして終わりたかったのに、ここまでの2日と逆に行ってしまった。コースは難しい。簡単なバーディパットはない」と悔やむ一方で、「でも69のアンダーパーをマークした。良い一日だった。上がどこまで行くか分からないが、しっかり楽しむことができた」と気持ちは前向だった。
イングランド勢が「全英オープン」を制したのは1992年のニック・ファルドが最後。現在35歳のフリートウッドにとって、このロイヤル・バークデールで全英オープンを勝つことは子供の頃からの夢だった。
これまで2014年の初出場から11回大会連続で出場して、19年大会の2位が最高成績。「7歳のころから、毎日全英オープンに勝つという空想をしてきた。毎日だ。今だってまだやめていないよ。だって人生とはそういうものだろう?あり得る限り大きな夢を見る。そしてそれを現実のものにしようと努力するんだ」。子どもの頃からの夢は今でも色あせない。
途中1打差まで迫ったことは「今日ほど近づいたことはない。あと少し、その先にクラレット・ジャグが待っている」とまだまだ諦めていない。昨年は勝てなかったPGAツアー。「ツアー選手権」で悲願の初優勝を遂げて“年間王者”に輝いた。
「人生は経験の積み重ね、今週は人生で最高の経験を味わっている」とフリートウッド。メジャー最終日には大きなドラマが待っているのかもしれない。(文・武川玲子=米国在住)
