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米ツアーチャンプになった小平智は、なぜ千載一遇のチャンスをモノにできたのか?【舩越園子コラム】

米ツアーチャンプになった小平智は、なぜ千載一遇のチャンスをモノにできたのか?【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2018年4月16日 12時42分

しかし、数字や結果が振るわなかった一方で、大きく飛躍するきっかけになったのはマッチプレーの2日目。フィル・ミケルソン(米国)を相手に一時は4アップまでリードを広げ、大善戦。最終的には上がり3ホールでミケルソンに追いつかれて逆転負けとなったが、試行錯誤してきたスイングに「ようやく兆しが見えた。自分のゴルフが形になり始めた」。そうやって小平は、ピンチの中でチャンスを掴み取ろうと必死に歩んできた。

マッチプレー終了後、世界ランキング46位でマスターズ出場へ。オーガスタでは昨夏以来の「我がゴルフ」が実り始め、初出場にして予選を楽々突破。しっかり4日間を戦って28位の大健闘。それでも彼は「どのぐらい、やれた?」と尋ねると、「うーん、まだ7割ぐらい」と悔しさを口にして「また戻ってきてリベンジしたい」と言った。

プライオリティは常に自分自身の胸の中。数字や結果より、自身の実感と感触を最優先し、マッチプレーで全敗に終わっても前進を喜び、マスターズで大善戦と言われても実力発揮7割を悔しがる。その姿勢を貫いてきた小平だからこそ、RBCヘリテイジの最終日、首位が崩れた結果のサドンデス・プレーオフという千載一遇のチャンスを、冷静にモノにすることができた。

どんなチャンスでもチャンスはチャンス。もらった好機は生かせなければ意味はなく、転がり込んできたチャンスを生かせる状態に付けていたこと。そして、それを生かし切ったことは、RBCヘリテイジで小平以外の誰にもできなかった最高のパフォーマンスだ

それでも小平は「今日のボギー2つが悔しい」と、今まで通り、自身の実感と感触にプライオリティを置いていた。

頑固なまでの意志と度胸は見上げたもの。おめでとう、小平智。米ツアーに新たな日本人チャンプの誕生だ。
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