「プレーオフはあまりやったことがなくて戦い方が難しかった」と語ったが、18番ホール2ホールで決着つかずに、3ホール目は17番パー3へ。手前6メートルにつけたキムに対して、小平は7.5メートル。「狙ったところに打つことだけを考えていた」というバーディパットは、イメージ通りにコロがりカップに消え、勝負を決めた。
「無意識です」というど派手なガッツポーズは、人生最大のガッツポーズでもあった。
「米ツアーで優勝することを目標にしてきましたが、こんなに早く勝てるとは思っていませんでした」と喜びとともに戸惑いもあった。米国メディアに囲まれて何度も優勝インタビューに答えた。なかなか実感が沸いてこないが、「異国の地でもファンの方たちが応援してくれるのは、いままで味わったことがない感覚でうれしかったです」と、声援に応えた。
夢にまでみた米ツアーメンバーとなり、来年からの2年シードを手にし、2019年「マスターズ」の出場を決めた。「この試合は戦えると思っていましたが、(優勝という)ここまでのイメージはありませんでした。わちゃわちゃしすぎてワケが分からない(笑)」とはにかんだ。(文・小高拓)