<マスターズ 事前情報◇8日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
ディフェンディングチャンピオンのローリー・マキロイ(北アイルランド)は、昨年、長年背負ってきた“キャリアグランドスラム”の重圧から解放され、これまでとは明らかに異なる心境で大会を迎える。
「本当に信じられない気分」。グリーンジャケットをまとい会見に姿を現したマキロイは、率直な思いを口にした。あの優勝から1年。「世界中にジャケットを持っていき、人々の喜ぶ顔を見ることができた」と振り返り、「夢がかなった」と何度も口にした。
これまでは「大会が待ちきれなかった」という思いだったが、今回は「始まらなくてもいいと思えるほど」と笑う。長年追い続けてきたマスターズ制覇を成し遂げたことで、心の余裕が生まれている。
連覇への挑戦は簡単ではない。「フィールドにいる約90人の選手」が壁として立ちはだかる。「規模は大きくなくても最もレベルが高い大会」と、経験豊富な選手が毎年上位に顔を出す特有の難しさを挙げた。
それでも状態には自信を見せる。大会前の3週間は自宅で調整を重ね、「何が起きても対応できる」と冷静だ。今年はティショットでより積極的な選択を増やす考えも示し、「難しいホールをバーディチャンスに変えたい」と攻めの姿勢を見せた。
昨年の優勝で変わったのは技術だけではない。「ミスに過剰反応しなかったこと」が勝因だった。忍耐強くプレーする重要性を再認識。「以前なら無理にピンを狙っていた場面でもガマンできた」と精神面の成長を得た。
「キャリアグランドスラムがゴールだと思っていたけど、実際はそうじゃなかった。大切なことはその過程を楽しむこと」。目標は達成するたびに先へと動く。新たなモチベーションを見据える。
ディフェンディングチャンピオンとして迎える一週間。「リラックスしているけど、勝ちたい気持ちは変わらない」。重圧から解放された王者が、再びオーガスタで輝きを放つか注目だ。(文・高木彩音)
