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パトロンたちから「ヒデキー!」の熱い声援も 松山英樹はミスを受け入れ1アンダー発進

ゴルフの祭典「マスターズ」が開幕。松山英樹は1アンダー発進を決めた。

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年4月7日 09時00分

<マスターズ 初日◇6日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7545ヤード・パー72>

松山英樹は2バーディ・1ボギーの「71」で、トップと6打差の1アンダー・26位タイと静かなスタートを切った。心配された首痛も「痛みなくできたかな」と問題なさそうだ。

ティショットでのフェアウェイキープは14ホール中14回で100%。「フェアウェイに全部行ったのでうれしかった」と満足している。しかしセカンドショットのタテ距離に苦しみ、パーオン率は18ホール中13ホールで72.2%。「改善しなきゃいけない」とフェアウェイから打てていた割には納得いかない様子だった。

4つあるパー5は、2番こそ2オンさせてバーディを奪ったが、残りの3ホールはパーに終わった。8番では3打目のアプローチをわずかにショートしてグリーンに届かず。35ヤードティイングエリアが下がって545ヤードとなった13番ではレイアップを選択して、残り65ヤードの3打目を1メートル強に寄せるも「パッティングがもったいなかった」とバーディパットは左に抜けてしまった。

そして、最後の15番では、グリーン左サイドから3打目のアプローチを上からの傾斜を利用して寄せようとするも途中で止まってしまい、笑顔で天を仰いだ。

自分へ要求する理想が高いからこそ、グリーンを狙うショットが散ったり、チャンスで決めきれないパットに納得いかない。最終18番では、スタンスがバンカーの縁にかかりそうな位置からのセカンドでインパクト後に手を離し、ボールはグリーンをショート。アプローチを3.5メートルオーバーさせて、パーパットはカップのわずか左を抜けてボギー。最終ホールまでボギーフリーで来ていただけに、後味の悪いラウンドとなった。

しかし、21年にアジア人としてマスターズを制覇した際はこんな話もしていた。前週の「バレロ・テキサス・オープン」で思い通りのプレーができず、イライラしていた松山。「なんでこんなに怒っているんだろうって自分に呆れたところがあった。マスターズの週は日が経つにつれて感触もよくなっていましたし、本当にいけるんじゃないかというフィーリングがあったので、今週は怒らずミスしてもここまでやってきたことを信じてやろうと決めてやっていました」と語っている。

今年の初日もフラストレーションがたまりそうなラウンドのなかで、パトロンたちが21年覇者に送る「ヒデキー!」の熱い声援を受けて、笑顔も浮かべながらミスを受け入れて感情をうまくコントロールしていたように見えた。自身も歴代チャンピオンへのリスペクトに「去年からあるのでうれしいなと思いますね」と喜ぶ。

2年ぶり2度目の優勝に向けて、初日はトップと離れてしまったが、持ち前の修正力で徐々に調子と順位を上げていきたいところ。2日目は天気が崩れ気温もグッと下がる予報。「去年でだいぶ経験しているので、いい準備をしたい」。その対応力が試される2日目になりそうだ。(文・下村耕平)

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