その先週は、最終日の前夜、「不安のほうが大きい。ネガティブなものが全部出てしまったら、どうなるんだろう……」と弱気な言葉を口にした。そして、全部は出なかったにせよ、彼が抱いた不安は、ある意味、現実化して崩れ、10位に甘んじた。
だが、今週は最終日の前夜から力強い言葉を口にしていた。「先週と今週は違う。今週は、ある程度、自信を持っていける」
そんな松山が、自分自身を「大きな人間」と考えているか、「小さな人間」と考えているかはさておき、「悪いスコアなんて何の意味もなさない」と最初から割り切れるはずはない。ワトソンやスコットと松山は、まるで違う状況、まるで違う心境で、ミュアフィールドビレッジのサンデーアフタヌーンを迎えようとしている。私には、そうとしか思えなかった。
絶対に勝ちたい。絶対にいいゴルフをしてみせる――松山は勝つ気でいた。勝ちに行く気構えだった。悪いスコアを出すなどというネガティブな結果を、今週の松山は考えてもいなかったのだ。
「自信を持って出ていけた」。プレー内容は決して完璧ではなかった。