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最終ホールのビッグプレーには「あれしかない」 松山英樹はピンチ切り抜けながら28位に浮上

松山英樹は、4バーディ・3ボギーの「71」で回り、トータル5オーバー・28位タイに浮上した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2024年4月14日 09時07分

<マスターズ 3日目◇13日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>

予選ラウンドは「76」、「74」とオーバーパーを並べてしまった。トータル6オーバーの50位タイと、なんとかカットライン上で予選通過を果たした松山英樹が、大会3日目でアンダーパーを記録した。

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前日までよりも風が弱まり穏やかな天候のなか、リッキー・ファウラー(米国)とともに第1組でスタート。まだ誰も踏みしめていないコースで、滑り出しは順調だった。2番パー5で、グリーン手前バンカーからの2打目を1.2メートルに寄せると、これを流し込んでバーディが先行。さらに3番パー4で、やはり1.2メートルのチャンスをものにして連続でスコアを伸ばした。9番パー4は傾斜も利用しながら1.5メートルにつけてバーディ。3つ伸ばして折り返した。

「昨日に比べたら穏やかなコンディションだったけど、しっかり風は吹いていた。前半はうまくプレーできたかと思います」。ただ後半スタート直後の10番でボギー。さらにティショットをグリーン左に外したアーメンコーナーの12番パー3でも、4メートルのパーパットを残しスコアを落とした。13番はバーディとしたものの、ガマンの時間は続く。

そのなかでは、しっかりと踏みとどまる場面も多かった。11番は5.5メートルをねじ込んでのパー。14番も1.5メートルのしびれるパットを決めた。さらに前日ダブルボギーを叩いた最終ホールでは、絶体絶命ともいえるピンチを乗り切る。

ここはティショットを右の松林に打ち込んだホール。四方を木に囲まれるなか、残り138ヤードの2打目に臨んだ。低く打ち出したボールは木と木の間を抜けると、ゴロでフェアウェイを進んでいく。「あれしかなかった」。さらにグリーン手前のバンカー2つの間も通す、イメージ通りのスーパーショットになった。一度グリーンに到達したボールは残念ながら下り傾斜で戻されてしまったが、3打目の42ヤードのアプローチを2.7メートルに寄せると、それを決めて見事にパーをセーブした。

「できるだけスコアを伸ばそうと思ってた」というなかでの「71」は、決して納得のいくラウンドではなかったはず。それでも匠の技で踏みとどまりながら記録した“-1”の価値は大きい。これでトータル5オーバーとスコアを少し戻し、順位も28位タイまで上げた。ラウンド後は練習場で1時間ほどパットとショットを確認し、まだ明るいうちに家路に。トップとは12打差と、大会2勝目は厳しい位置になったが、「昨日までよりもいいと思うので、あしたはもう少しいいゴルフができるようにしたい」とさらなる浮上を目論む。(文・間宮輝憲)

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