ただ、スコットランドオープンではリンクス特有の地面の硬い芝の上から、『P730』の7番アイアンで風の影響を受けにくい低いドローを打ったとき、6,200〜6,300rpmとモリカワにとって十分なスピン量が得られなかった(普通に打ったときの打ち出し角は14〜15度で、スピン量は約7,000rpm)。スピンが足りないため、今までと同じ距離感で打つとショートしてしまう。一方で『P7MC』の7番アイアンで同じ低いドローを打つと、6,600rpmとスピンが増えたため、7〜9番に関しては『P7MC』ほうがいいと判断したのだ。
実はマッスルバックの『P730』よりもセミマッスルバックの『P7MC』のほうがソール幅は気持ち狭い。リンクスの硬い地面では、広いソールが邪魔で抜けが悪くなり、芯を喰った澄んだ音が出なかった。また、アイアン変更でスピンが増えたために低い球でも、グリーンに止まりやすくなり、大会4日間を通じて78.78%という高いパーオン率をマーク。スイング自体は変えることなく、うまく道具で芝に対応し、初出場初優勝につなげた。そんなモリカワは東京五輪には米国代表として出場する。日本代表の大きな壁となって立ち塞がりそうだ。
【コリン・モリカワの全英オープン優勝セッティング】
1W:SIM 8.0度 Diamana D+ Limited 60 TX
3W:SIM 14.0度 Diamana D+ Limited 80 TX
5W:SIM2 19.0度 Diamana D+ Limited 80 TX
4I:P770 DG Tour issue X100
5I〜9I:P7MC DG Tour issue X100
PW:P730 DG Tour issue X100
50度:MG2 DG Tour issue S400
56度:Vokey Design SM8(56-14F) DG Tour issue S400
60度:MG2 Hi-Toe DG Tour issue S400
PT:TP Juno
Ball:TP5(2021)