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フリートウッドが風に強いのは右ツマ先を開いて左手をフックに握っているからだった【超一流のスイング術】

フリートウッドが風に強いのは右ツマ先を開いて左手をフックに握っているからだった【超一流のスイング術】

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2020年6月5日 07時47分

フィニッシュでクラブは横に収まる フリートウッドのスイングを井上透が解説
フィニッシュでクラブは横に収まる フリートウッドのスイングを井上透が解説 (撮影:GettyImages)
2017年の欧州ツアー年間王者に輝いたトミー・フリートウッド(イングランド)。プロゴルファーには珍しい長い髪とあごひげがトレードマークとなっている。米ツアーでは未勝利だが、欧州ツアーでは通算5勝。2018年の全米オープンと2019年の全英オープンで2位に入り、メジャー勝利も近いと言われている。欧州選手らしく風の中でのコントロールショットを得意とするフリートウッドのスイングを、最先端の理論に精通しているプロコーチの井上透氏が解説する。

フリートウッドはドライバーもライン出しのように打つ【連続写真】

フリートウッドはアドレスで右ツマ先を多めに開いているのが特徴的です。一般的には、バックスイングでの回転量をサポートするためだったり、右カカトに重心を入れやすくするために右ツマ先を開きます。バックスイングのときに右ツマ先重心で粘り過ぎてしまうと、アウトサイドからカットに入る傾向が出たりもする。だから、風に強いショットを打つために、インサイドから入れやすくしているとも予測できます。

切り返しでは左に鋭く踏み込み、クラブを常に引っ張り続けて下ろしているのが分かります。その結果、フェースターンを抑えることができている。フリートウッドがアイアンのライン出しショットが上手いのも、フェースローテーションの量が少ないから。後方からトップを見たときに、フェースは閉まっています(フェース面が上方向を向く)。だからダウンスイングで引っ張り続けてもフェースが開かないのです。

フリートウッドはいま流行りの掌屈動作(左手首を手のヒラ側に折る動き)でフェースを閉めているわけではありません。後方からトップと切り返しを見てみると、左手首は真っすぐになっています。彼は左手をかぶせてフックグリップに握っているから、掌屈動作を使わなくても、つかまるフェースの角度を作れるのです。

ローリー・マキロイジャスティン・トーマスと比較すると、フィニッシュでクラブはコンパクトな位置に収まっています。フリートウッドのように体の回転を止めずにクラブを引き続けていると、クラブは地面に対して平行な横の位置で止まりやすいのです。おそらく本人はインパクトでクラブをリリースする感覚は持っていないでしょうね。リリースするイメージを持っていると、もっとフィニッシュでクラブは回っていくはず。ヨーロッパで戦っていると、風の中でのコントロールショットがすごく大事なので、こういうスイングになったのかもしれません。

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