<Qシリーズ(最終予選) 最終日◇9日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
それぞれ、米ツアー初参戦を目指した年以来の最終予選会出場だった渋野日向子と西村優菜は、ラウンド後、大粒の涙を流しながら互いの健闘を称えあった。渋野は2021年以来4年ぶり、西村は22年以来3年ぶりに参加した戦い。それをともにトータル5アンダーの24位タイで乗り切った。
渋野が込み上げてきたものの理由を明かす。「けっこうガマンしていたんですけど、なんかゆなぱん(西村)を見たら泣いちゃいました。本当に苦しい1週間だったので、自分で苦しくしているような感じでしたけど、とりあえず、ギリギリで通って良かったです」。安どと仲間の姿が胸を熱くした。
渋野のほうが2学年上だが、同じマネジメント会社に在籍。そしてなにより、今季、苦しいシーズンを送ってきたという共通点がある。それゆえ、気持ちは痛いほど分かる。
西村は「彼女の気持ちが全部分かるわけではもちろんないけれど、彼女も多分、すごく苦しかったシーズンだと思う。プレッシャーもすごくあるだろうし。似ている…ではないけど、気持ちが分かりあえる部分も少なからずある。お互いに通過できてすごく良かった」と、その胸中を明かした。
それは渋野も同じ。「今年1年はすごく苦戦してやってきた。お互いにここに来たくなかったし。最後もゆなぱんらしい通り方。(バーディを奪った)8番も気の強さが出ているなと思った。ちょっと安心感というか。(西村の)ママの涙も(グッときた)。みんな満身創痍なのでゲッソリです」と、笑顔で話す。
今回、米女子ツアー出場権を新たに得た櫻井心那とともに、来季は限定的な出場権が与えられる『カテゴリー15』で戦う。リシャッフルを通過しながら、シード選手が入る『カテゴリー1』への復帰、そして優勝を目指す立場だ。今回流した涙を“下克上”への力にする。(文・間宮輝憲)
