世界498位の“伏兵”が堂々のプレーを披露
初日「67」をマークして首位と2打差の2位で飛び出したのは、日体大2年の鈴木隆太だった。今年は国内の主要な大会で目立った成績もなく、大会週の世界アマチュアゴルフランキング(WAGR)は日本勢最下位の498位と“伏兵”的存在。それでも開幕前から「(優勝は)実力的にはそんなにないと思うんですけど、可能性は誰にでもあると思います」と優勝を意識して臨んでいた。
2日は「69」、3日目は「70」をマークして連日好位置をキープし、首位と3打差の4位タイで最終日を迎えた。「優勝を目指さないと意味がない」と話す鈴木は、1日4アンダーを目標にバーディを獲る攻めの姿勢を貫いた。最終日は一時単独首位に立ったが、8番、9番と連続で2メートルのパーパットを外して後退し、3打差で折り返す。
攻めのショットは池に沈むも来年の雪辱を誓う
鈴木の一つ後ろの最終組ではハリソン・クロウ(豪州)とボー・ジン(中国)がデッドヒート。1打リードしていたジンが17番で池に落としてダブルボギー。クロウが1打差でアジア太平洋地域ナンバー1の座についた。
高校生3人も攻めの姿勢で上位進出
春の全国高校選手権覇者の隅内雅人(水戸啓明高3年)、昨年の日本ジュニア覇者の大嶋港(関西高校2年)、そして日本生まれだが米国の名門・オクラホマ州立大5年生の欧陽子龍(おうよう・れお)の3人が首位と5打差のトータル8アンダー・5位タイに入った。さらに1打差の11位タイには、今年の日本ジュニア覇者の松井琳空海(りうら、香川西高校1年)も名前を連ねた。
ショットの精度を発揮してチャンスメークしながらもグリーン上で泣いた隅内。今年からナショナルチームの一員になった大嶋は、磨いたショートゲームで再三のピンチをしのいだ。そして、身長193センチの恵まれた体を活かしてドライバーの平均キャリー310ヤードという持ち味のパワーを発揮した欧陽。それぞれの個性を発揮して躍動。WAGRの上位者が辞退しても、日本のアマチュアゴルフ界の層の厚さを見せつけた。
タイでの4日間の経験が選手を成長させる! 日本のレベルアップに欠かせなくなった「アジアアマ」
鈴木だけでなく全員が「優勝」を目指し、夢の舞台となる海外メジャーの切符を狙っていた。池が多く絡む難度の高いコース、傾斜に逆らってボールが転がる芝目の強いグリーン。日本ではなかなか経験のできないコンディションのなか、アジア太平洋地域のトップ選手たちと戦った結果である。通用した部分、しなかった部分とここで得た経験を日本に持ち帰って、さらなる研鑽に励むと、一堂に口にした。
世界のゴルフを支える「ロレックス」が大会をサポート
正確な計時、優れた機能性、知名度の高さ、どれをとっても世界ナンバー1。ロレックスとゴルフの関わりは半世紀以上にも及ぶ。ゴルフが生んだスーパースターのアーノルド・パーマーとの絆をきっかけに、ジャック・ニクラウスやゲーリー・プレイヤー、さらにタイガー・ウッズやアニカ・ソレンスタム、松山英樹ら、時代を作るトッププレイヤーたちをサポートしている。
また、男子の4大メジャーや女子の海外メジャー、米国選抜と欧州選別の対抗戦「ライダーカップ」などの世界規模のイベントも数多く支援。長きにわたりゴルフ界を支え続けている「ロレックス」。アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権もその一つ。将来、世界一を目指すことになる選手たちは、ロレックスの王冠が記されたティペグを使用し、余ったものは大事に持ち帰っていた。