韓国女子ツアー（KLPGA）の海外選手用予選会が4日間の日程で行われた。韓国籍選手以外の出場が許され、タイで開催された本予選会には過去最多の63人が出場した。
韓国女子ツアーは年々賞金総額が上がっており、韓国勢にとってはかつて人気だった日本ツアーや米国ツアーに挑戦しなくとも、十分に試合数や賞金を確保できる。ツアーはさらなる活性化を狙い、外国勢にも門戸を開き始めている。
今回の予選会はインターナショナルクォリファイングトーナメント（IQT）と呼ばれ、1位の選手にはなんと、来季の韓国レギュラーツアーのフル参戦権、つまりシード権が与えられる。
2、3位の選手には、来年の「韓国女子プロ選手権」の出場権を付与。同2～8位の選手は来季出場権をかけた最終予選会に進出することができる。狭き門ではあるが、ビッグチャンスが待っていると言ってよさそうだ。
今回、日本勢は19人が参戦。途中棄権の選手もいたが、強豪タイ勢なども出場するなかで、最後まで奮闘を見せた。3日目まで首位タイに立っていた都玲華、最終4位に入った和久井麻由、同8位に入った青井麻瑚らが最後までレギュラーツアーの出場権を争った。
都は残念ながら10位に終わったが、「いいところも悪いところもたくさん発見できました。3日間や4日間の試合だと、いつも初日でスコアを出せずにつまずく傾向があるのですが、今回は初日からいいスコアで回れて、いい流れを作れた。それだけに、最終日が本当にもったいないなと感じています」と反省を口にした。
「今の実力だと痛感しています。4日間、自分の調子と向き合いながらゴルフを組み立てていく力も足りない。もっと自分を知る必要があると感じました」と続ける。「私たちのような外国人に、チャンスを与えてくださり感謝しています。1位を目指して頑張りましたが、残念な結果に終わってしまいました。いいところも悪いところも発見できたので、10月末から始まる日本のプロテストに向けてしっかり練習していきたいです」と悔しさとともに、自分の現在地を把握できたことは大きい。
「初めての国際試合でした。いろんな国の選手と交流しながらプレーすることができてすごく楽しかったです。日本になかなかない芝でプレーでき、意外と対応できていたことにも手応えを感じた。海外で戦ってみたいとさらに強く感じた大会でした」と前向きな気持ちで、国内の試合につなげていく考えだ。
4位に入り、最終予選会の参戦権を獲得した和久井は、「トップと3打差が開いていたので、他の選手のことや順位は意識していなかった。自分のゴルフに徹底していたので、この順位でも十分満足しています」と振り返る。自身と向き合って出した結果に納得した様子だ。
「初めての海外のQT挑戦で緊張もありましたが、普段通りのゴルフができたと思うので、この経験を日本のプロテストに生かせられればと思います。海外のいろんな選手のプレーを見られたし、日本と違うコースでプレーして自分に足りないものなどもわかったので、今後につながるいい試合だったと思います。新しい道を開けられて良かった」
ジュニア時代から期待を集めてきた大器。海外QTという舞台で学んだものは、きっとこの後のキャリアにも生きるはずだ。
8位の青井も「もちろん1位通過を狙っていましたが、そのなかでも自分のゴルフを徹底する事に重きを置いていました。8位という結果は悔しいです。来月JLPGAの2次テストが控えているので、今回の経験を糧にさらに努力していきます」と、悔しさをバネに日本でプロを目指していく。
米国ツアーに挑戦する日本人選手も年々増えて、今季は9人がレギュラーメンバーで米国を主戦場としている。近い将来、韓国ツアーにも大勢の日本人選手が参戦する日が、もしかしたら来るかもしれない。
