今週はスペインで女子の「ソルハイムカップ」、そして来週はイタリアで男子の「ライダーカップ」と、男女の米国対欧州のチーム戦が2週連続で開催される。ソルハイムカップはライダーカップの女性版と呼ばれ、女子ゴルフでも大いに盛り上がるのだが、やはりライダーカップに比べるとメディアへの露出が少ないのが現実。これに対して米国チームのステイシー・ルイス主将は「またとないチャンスなのに…。女子ゴルフを盛り上げる機会を逸している」と批判した。
ライダーカップの歴史は古い。第1回は1927年、米マサチューセッツ州で開催。当時は米国対英国というフォーマットだった。以降は第二次世界大戦による中止もあったが、2年に1度、奇数年に開催されてきた。それが2001年の米同時多発テロで中止となった大会が02年に開催されたことで偶数年に。しかし再び20年のコロナ禍の中止により、21年に開催と奇数年に戻った。
一方1990年に第1回を迎えたソルハイムカップは偶数年開催。ライダーカップが2002年から偶数年になったのを機に03年も開催して以降は奇数年開催を続けている。つまり過去を振り返ると02年がイングランドでのライダーカップ、米国で開かれたソルハイムカップと男女が同年に開催された1年になった。
20年はもとより開催予定のなかったソルハイムカップが奇数年の開催を続けてきた結果、今年は21年ぶりの同年開催に。しかしソルハイムカップは来年も行うことが決まっており、それを境に今後は偶数年開催となっていく。ソルハイムカップがスケジュールを変更する理由は、男子はライダーカップのない年には米国対世界選抜が戦う「プレジデンツカップ」があるから。
ライダーカップのX(旧ツイッター)は30万人がフォローしている。しかし一方でソルハイムカップは1万7000人とその規模の差は歴然。他のSNSもほぼ同様の差となっている。「ライダーカップがソルハイムカップを同時に特集してくれるよう、本当に一生懸命トライした」とルイスは嘆き節。
一方批判される格好になったライダーカップで、米国チームのバックにつくPGAオブアメリカは「われわれはあらゆる方法で熱心にソルハイムカップ、米国チームを支援している」とコメント。「GO USA」のメッセージを発信した。(文・武川玲子=米国在住)
