<HSBC女子世界選手権 事前情報◇24日◇セントーサGC(シンガポール)◇6793ヤード・パー72>
悔し涙を流してから2日、岩井千怜の表情は明るかった。「いい流れで来ていますし、今週の楽しみが少し増えました」。激闘からすでに視線は前へ。悔しさを引きずる様子はない。
先週の「ホンダLPGAタイランド」は世界ランキング1位のジーノ・ティティクル(タイ)と優勝を争い、1打足りずに惜敗した。ホールアウト後には涙をぬぐう仕草を見せたが、それはほんの数分で乾いていた。「“また次!”って切り替えていました。私はすぐに開き直っちゃうので。気持ちをフラットに戻すのは大事ですよね」。自身の気持ちに整理をつける方法は、プロ生活を通してより上手になっている。
米2年目のシーズンで、欧州ツアーを含めて出場3試合目で優勝争いを演じた。だが、「オフは不安だらけでした」と明かす。初優勝も挙げた華々しいシーズンの翌年、さらなる活躍ができるだろうか…。これは日本ツアーで初優勝を含む2勝を挙げた2023年のオフにも話していたのだが、今年もその気持ちは同じだった。
「不安で焦るのは良くないことだと分かっています。自分の持っている力を精一杯出すにはどうしたらいいか、という考えに持っていくことができているし、上手になっていると思います。最近は怖さや不安から逃げなくなりました。逃げないで挑戦、という気持ちが去年より多くなりましたね」
英語で積極的に会話をして、海外メディアを相手に自ら英語で答えることも“挑戦”のひとつ。この精神こそが岩井の成長を加速させている。
「自信になりました」と惜敗に前向きな言葉を並べて、初めてのシンガポール入り。「タイやマレーシアに似ている。初めてな感じがあまりしない」とリラックスして準備を進めている。「攻めること」が信条なのは同地でも変わらず。日本ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月5~8日、沖縄県・琉球ゴルフ俱楽部)で3連覇に“挑戦”する前に、今週もシンガポールで存在感を発揮する。(文・笠井あかり)

