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“開いてダメなら閉じてみる” 渋野日向子がウェッジ使いに一工夫で納得フィニッシュ

最終18番をチップインバーディ締め。次戦への弾みをつけた。

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2023年8月28日 10時41分

<CPKC女子オープン 最終日◇27日◇ショーネシーG&CC(カナダ)◇6685ヤード・パー72>

カナダのナショナルオープンは、距離が特に長いわけでもなく、トリッキーなホールがあるわけでもないが、各選手がスコアメイクに苦しんだ。渋野日向子もその一人で、トータル5オーバー・50位タイのフィニッシュは数字だけを見れば苦しいものだった。

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3日目まではグリーンを外しては寄せきれずというボギーが目立つ。例えば前日の9番パー4では左奥のピンに対して2打目を攻めた結果、奥のラフまで打ち込んでしまう。極端に沈んでいるわけではないなかで、フェースを開いて打った球はほんの少し飛んだだけで、長いパーパットが残りボギー。そんなシーンが渋野に限らず、今大会ではよく見られた。そのラフからフェースを“開く”という、いままで当たり前にやってきたことを、実は最終日に少し変えてみた。

3日目のホールアウト後はじっくりと練習に取り組んだが、キャディのジョン・ベネット氏との会話の中で、フェースを“閉じてみたら?”という話になった。さらに「転がしてみたら?」という助言もあり、これを試すと寄る確率が増えた。その変更が最終ラウンドで早速威力を発揮した。

13番でも奥にこぼすが寄せてパー。圧巻は最終18番パー4だ。左奥のピンに対して「いい方向に行ってくれた」とピン筋に飛ぶもわずかにオーバー。これが渦巻状のラフに入った。ここで渋野が魅せた。「強かったです」と転がしのアプローチは狙いより強めに入ったが、まっすぐカップに向かい、そのままカップイン。「練習のとおりにやろうと思ったら入っちゃった(笑)」というスーパープレーで大観衆を沸かせた。

グリーンには微妙な傾斜やラフに落ちるスロープが待ち受け、ピンを狙い少しでも曲げるとラフにこぼれる造り。そこで耐えきれずにスコアを落としてしまった3日間の反省をしっかりと生かした締めくくりには、笑顔も飛び出す。芝質が毎度異なる米ツアーにおいては、参戦2年目とはいえ、まだまだ新発見が続く。はじめてのカナダ戦では、また一つ引き出しも増え、成績以上に収穫を得ることができたともいえる。

この日の前半は毎ホールバーディチャンスにつけるなど、ショット面では上向きを実感。「先月とかに比べたらすごく前向きに捉えている」と各ピースがそろってきたのは間違いない。次週の「ポートランドクラシック」は、昨年では3日目を終えて首位と1打差の4位タイと健闘したコース。カナダでつかんだ好感触をオレゴンに持ち込み、次は結果へとつなげたい。(文・高桑均)

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