14日に日本航空(JAL)が中央区築地にあるPGMゴルフアカデミー銀座で開催したイベント『渋野日向子×JAL スペシャルゴルフデー』に出演した渋野日向子が、米ツアー5年目となる来季への想いを語った。
2部形式で行われたこの日のイベントでは、前半の部の小学生から後半の部の大人まで、計25人のファンとゴルフ対決などで大盛り上がり。「自分がいい結果を残せれば、みなさんも気を使わずに来ることができる。みなさんが盛り上げてくれるし、いい思い出になって欲しいから私も楽しんでます」と力をもらった。
来季の米ツアー出場権を争った最終予選会に9日まで参加。11日に帰国したばかりだが、前日にはトークショー、そしてこの日もイベントと、精力的にオフの行事と向き合っている。今後もスポンサーへのあいさつ回りや、自身の名が冠される恒例のソフトボール大会も控えるなど、忙しい毎日。それが落ち着いたら、いよいよ来季への準備も本格化する。
オフの課題に挙げるものは多い。「パッティングもですけど、ショットもスタッツがすべてにおいて低いから、その平均値を上げないといけない。一個一個のレベルを上げないといけないし、今年はケガは少なかったけどエリエールで首をやったりしたので、体も見直して作っていけたらいいかな」。これらは“浮上”のために必要なことだ。
今季はポイントランキング104位と低迷。シーズン終了時点で同80位までの選手が入る『カテゴリー1』(来季シード権)を逃し、同101~125位の選手らで構成される『カテゴリー16』になることが決まった。だが、少しでも上の優先出場順位で戦うため、最終予選会に参加。“25位タイまで”という通過ラインが設定されるなか、ボーダーライン上の24位で通過し『カテゴリー15』に“昇格”することはできた。だが、ここも限定的な出場権の保有という点では変わらない。とにかく与えられた試合で結果を残し、シーズン中のリシャッフルを通過して、中盤戦以降のフル出場を目指す立場に置かれている。
自身の開幕時期は3月以降になる見込みのため、「1つ目の試合から全力を出し切らないといけない」と力を込める。「自分が絶対に変えたくないところを理解して、これからやっていかないといけない」とも話し、その骨子に「(ショットで)左のミスを減らす」ことを挙げる。「自分の球筋を分かったうえでスイングも考えないといけないし、体作りも考えないといけない。左へのミスを減らすことが、その基準になるかな」。すべては「勝つため」。その目的地へ向け、メニューを組んでいくことになりそうだ。
来年も米国ツアーは日本勢が花盛りだ。今季、主戦場にした13人に加え、来季は下部ツアーから昇格を決めた同学年の原英莉花、そして予選会を通過した櫻井心那が増え15人が参戦する。「(試合の約)10分の1が日本人になる。アジア勢のレベルがすごく上がってるし、原ちゃんや同級生の影響は自分のなかですごく大きい。勉強になる部分や、刺激、悔しいと思う時もたくさんある。切磋琢磨して、みんなのレベルが上がっている分、自分もついていかないといけないと思ってる。ついていって追い越せるよう頑張ります」と、その存在は大きい。
渋野、原、畑岡奈紗、勝みなみの黄金世代は、来年度は28歳になる年で、最年長グループでもある。「日本で戦っててももう中堅ですもんね」と、それには感慨深げ。「まだ(米ツアー)3年目くらいの感覚で、毎年ルーキーのような気持ちもある」とも言うが、注目され続けてきた世代とあって、けん引役としての活躍にも期待がかかる。
「今年は奈紗ちゃんがひさびさに優勝して、かっちゃん(勝)も優勝までもう少しだった。原ちゃんも下部で優勝して、あとは自分が、と思ってる。もっと盛り上げられるように頑張ります」。輝かしい2026年をイメージしながら、今冬もゴルフに向き合っていく。(文・間宮輝憲)
