<Qシリーズ(最終予選) 3日目◇6日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
「過酷…」。ラウンドを終えた直後、西村優菜はポツリとそうこぼした。息が白くなるほどの寒さに加え、ラウンド中は長時間、冷たい雨にも見舞われた。この日回ったクロッシングスCは6664ヤードだが、体感はそれだけでは済まない、といったところだ。
フォールズCをプレーした第1ラウンドは「66」で回り、4位と上々の滑り出し。だが、天気予報も確認し「きょうは耐える日だと思っていた」と覚悟を決めていた。
「テンポだけは変わらないように」。それを徹底した。1番でいきなりボギーを叩いたが、2メートルを決めた4番と6番の2つのパー5でバーディを重ねた。2つ目のバーディを奪ったあたりで雨が降り出し、コンディションはさらにタフな状況に。8番では再びボギーを叩いてしまう。
だが、9番以降パーを並べると、16番パー5で3つ目のバーディを奪った。この日は4ホールあるパー5のうち3つがバーディ。「そこしかチャンスがないんじゃないかと思うくらい、きょうは雨で長く感じました。雨のなか(2打目以降が)ウッドになると難易度も上がるし、すごく難しかった」。やわらかい地面で、ランはほとんど期待できない状況。最終18番パー4で、ドライバーのあとに3番ウッドを握らされながら、なんとかグリーン手前に乗せてパーをセーブしたように、厳しいマネジメントをずっと強いられた。
それだけに3打目でウェッジを握った4番、6番、そして9番アイアンで狙えた16番のパー5が、まさに肝になった。「ここ以外、アイアンを持った記憶はないです」と自虐的に笑うほど。この笑顔が味わった“過酷さ”を伝えてくる。
そのなかでスコアを1つ伸ばし、トータル6アンダー・7位タイと上位を維持できたことは評価に値する。「上出来なほうですね。この天気で、この長さでアンダーで回れたのは、あしたにつながる」。シーズンはポイントランキング115位で終え、シード喪失という悔しい結果になったが、来季の出場権がかかる試合で“らしさ”を発揮している。
「きのうがいいラウンドで、その後がどうかなと思っていたけど、きょうのラウンドはきのうくらい評価できる。小さい積み重ねが最後は大事になる。あしたもやることは変わらない。丁寧に丁寧にできれば」。一歩一歩、着実に。来季への歩みを進めていく。(文・間宮輝憲)
