レッスンの締めくくりも印象的だ。ジュニアに対し「何が原因だった?」「いまやったことを言ってみよう」と問いかけ、言語化を促す。インプットだけで終わらせず、アウトプットによって理解を深めさせる工夫だ。見守る家族にも説明を行い、動画に記録する場面も見られた。動作の修正がいかに難しいかを誰よりも知るからこそ、丁寧に“定着”まで導く。
レッスン後には「よく頑張りました!」とハイタッチ。努力を認め、次への意欲につなげる。その一つひとつの積み重ねに、笹生の強い思いがにじむ。
その後はアプローチ、バンカー、パターとショートゲームも徹底的に指導。距離感の作り方や効果的な練習方法など、“目からウロコ”の内容が次々と示され、ジュニアはもちろん、保護者も熱心に見入っていた。2日目はコースに出て、1組3ホールずつ帯同。実戦のなかでプレーを見ながら助言を送った。
このイベントを通してジュニアに伝えたいのは、「何をやるにも楽しむこと」だ。
「学校でも、何かをやることに対して“楽しむ”。それにつながったらいいなと。もちろんゴールはあっていいと思うんですけど、そこに至るまでのプロセスを楽しむことが大事だと思うので、それを伝えたい」とうなずく。
「プロになるにしても、違う道に行くとしても、“真剣だけど、それを楽しむ”ということを忘れてほしくない。私も子どものときにゴールはあったんですけど、そのプロセスを楽しんでいた。自分はなぜゴルフを始めたのか。それを忘れてほしくない。楽しいから始めたわけなので、その気持ちを何歳になっても忘れないでほしいと思います」
表彰式では、参加したジュニア一人ひとりが「楽しかったです」「上手くなりました」など、感想を発表した。最後には、笹生がプロ転向後から使用しているグリップを、一人につき10本ずつプレゼント。ジュニアたちは思わぬ贈り物に、うれしそうな表情を浮かべた。
ゴルフを通じて、多くの子どもたちが“楽しく頑張る”というマインドを持てるように。2日間を通じて、ジュニアに寄り添う笹生の表情、姿勢からは、子どもたちを思う強い気持ちが伝わってきた。(文・高木彩音)
