それでも優勝から遠ざかる間には、スランプにも陥り、心無い声も耳にした。さらに精神的にも落ち込んだ時期もあったという。「先週、姉に相談したときに泣いた。もうアメリカに残ることは難しいかもって」。すると『ゴルフを辞めてもいいのよ』という優しい言葉がかけられた。しかし、それで「ゴルフを辞めたくない」という思いを逆に強くすることに。「あんなことがあったのに、優勝できて本当にうれしい。自分自身を誇りに思っている」。涙と笑いが入り混じる表情で、こう胸を張った。
優勝争いの苦しい時でも、決して笑顔を絶やさなかった。「スタート前にコーチから、『楽しんで試合ができればトロフィーは君のものだ』って言われたの。私はその言葉を信じて、ずっと笑顔でいることで精一杯。自分のプレーがうまくいかないときに、それは本当に難しいことなの」。やっとの思いでたどりついた“うれし涙”だった。

