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どん底の春、全米敗退、五輪でメダル逸 畑岡奈紗を支えた強い思い

どん底の春、全米敗退、五輪でメダル逸 畑岡奈紗を支えた強い思い

配信日時:2021年9月27日 11時00分

転機は6月末。ツアー唯一のマッチプレーではグループステージを勝ち上がり決勝トーナメントに進出。光が差し込んだ。翌週の「全米女子オープン」では難コースで粘り強いプレーを展開。72ホールを終えて笹生優花と並んでトップタイに並んだ。悲願まであと一歩に迫ったが、プレーオフで惜しくも敗れ、海外メジャー制覇という大きな目標達成には至らなかった。

失意の敗戦後、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でも予選落ち。それでも前を向いて「マラソンLPGAクラシック」で2年4カ月ぶりの勝利を果たした。

そして迎えた東京五輪。金メダル獲得を大命題に掲げ臨んだ母国での大舞台。ここでも畑岡は悔しい思いをする。メダルに遠く及ばない9位タイ。「やっぱりオリンピックというのは今年の一大イベントでもあったんですけど、自分のプレーができなくて、長年の目標だった金メダルも達成できなくて、もう本当に悔しかったです」と振り返る。

そんな悔しい敗戦の連続を繰り返しながらも、「引きずっていてもしょうがないので、まだまだメジャー優勝とか目標はあるので、もうそれに向かって気持ちを切り替えてやるしかないなと思ってやっていました」と切り替えたかに見えたが、8月の「AIG女子オープン」(全英)では20位タイ。「その時もやっぱり悔しさはまだ残っていたので、やっぱり1カ月くらいはかかりました」。気持ちの沈みを感じながらの戦いが続いていた。

不振、悔しさの連続、そしてそれらを乗り越えての今季2勝目。「ひたすら練習するしかないですね。きっかけはないですけど、でもうまくいかなかったときもすぐ練習というよりは、少し気分転換じゃないですけど、1週間くらいクラブを握らなかったりとか。オフの切り替えも少しできるようにはなってきたかなと思います」。米ツアーで培った経験を力に変える術を手にした。

日本のエースと呼ばれ続け、米ツアーで奮闘してきた畑岡。期待を一身に背負い、ストイックに練習に励み、トレーニングで体をつくってきたその姿はエースにふさわしいもの。まだまだ22歳の畑岡にとっては、これから先、まだまだ栄光を勝ち取る時間が十分にある。

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