「周りを見れるようになっているのは確か。経験を積んでいるし、解説なんかもやってきて、試合を外から見れている。選手だけでずとやってきたら見えなかったね」。テレビ解説として様々な試合を外から見てきた羽川の経験は今の老獪な試合運びにつながっている。
一方で、「試合中も選手を解説しているように見ちゃうし、自分もそういう風にされてるって思ってる。だからパットでショートしたら“ビビってる”って見られるから、打つよね」と解説者としての視点は自身のマネジメントにもつながっている。優勝争いの緊張感の中でも冷静に自分を外側から眺め、そして解説者視点で的確な選択を導く。若い選手にはない経験に裏打ちされたシニア選手の強さであり、魅力だと言えそうだ。
羽川は今回の優勝でシニアツアー賞金ランク1位に浮上。当然、初の賞金王も視界に入る位置だが、「そういうのはまだね…」と意識はしていない様子。しかし、「日本シニアオープンは頑張りたいね」と自身が持つ「日本学生」「日本オープン」に続く日本タイトル奪取に意欲を燃やした。