■『レギュラーで戦っている俺と、海外メジャーに出ている俺はどっちが価値がある?』という逆質問もされました。
「悩ましいですよね。要するにプロの価値はどっちが上なのか? 藤田寛之は“王道”を行く人間だから、階段を上るのに大義名分が必要なわけです。はじめはレギュラーの階段を上っていった。『レギュラーの賞金シード』という今までと同じ大義名分でいいわけです。だけど、シニアに優勝したことでもうひとつの階段ができた。その階段の上には『シニアメジャー』という大義名分があるから、そっちの階段を上ろうかって。初めてシーズン中に目標が変わりました。あの優勝がすべてを変えましたね」
■それで夏以降はレギュラーではなく、シニア出場を優先していったわけですね?
「シニアの賞金が高い試合が続くところとレギュラーが重なっていた。そのときにどちらを選択するか迷ったわけです。レギュラーに出られるのに何でシニアに行くの? という人もいるかもしれない。自分のなかではすごく難しかったけど、海外メジャーというのを大義名分にして、シニアツアーを選びました。スターツに勝っていなかったら、おそらくずっとレギュラーに出続けていたと思います」
■結果的にシニアメジャーの資格をつかむわけですが、レギュラーもシニアもどちらもうまくいかない可能性もありましたよね?
