<台湾ホンハイレディース 2日目◇13日◇ザ・オリエントゴルフ&カントリークラブ(台湾)◇6720ヤード・パー72>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が48年ぶりに台湾で開催している大会。その会場を歩いていると、河本結の写真や映像がよく目に飛び込んでくる。昨年メルセデス・ランキング3位で終え、今年は悲願の女王獲りを目指す27歳は“日本ツアーの顔役”に指名された形だが、まずはトータル5オーバー・13位タイで予選を通過した。
2オーバーで迎えた2日目は、序盤から苦しいパットを強いられた。2番で20メートルを残すと、これが大きくショートしボギーに。さらに4番も25メートルから今度はオーバーし過ぎて2パットでおさまらずスコアを落とした。だが、その後は5番でバーディを奪い、まずは一息。そして「奇跡の7番」と本人も振り返るホールを迎えた。
この日174ヤードに設定されたパー3は、河本がティに到着した時には、キャップも吹き飛ばされるほどの強烈なアゲンストの風が吹いていた。そのティショットは「195ヤード出る3番UTを選んだのに、150ヤードしか飛ばなかった」と言う想定外の一打に。ボールはピンがある奥の段ではなく、手前の段で失速した。
そのため、ここでもピンまで20メートルというロングパットを強いられた。だが「あれくらいのパットがもう3回目だったし、そろそろ合うかなと思った」というバーディパットは、フック、スライスのスネークラインを通りカップイン。思わず両手でバンザイも飛び出るビッグプレーになった。ちなみに、この日7番でバーディを記録したのは河本、ただひとりだ。
傾斜の強いグリーン、回る風に加え、ピンが振られ、トータルアンダーパーが初日の5人から1人まで減ったタフな一日。河本も、9番のダブルボギーなど、そこからもスコアを落としながら歯を食いしばった。最終18番も、わずかに触れただけの上からのパットが、傾斜をつたい6メートルまで離れていくピンチに。それでも「ダブルボギーにはしないように」と割り切りボギーでおさめ、疲労感の多い一日を終えた。
日本ツアーを代表して戦っている意識は「あります」と心強い回答。指名を受けて、2月に行われた台湾メディア向けの大会公式会見にも出席した。その会見後には5時間ほどかかる撮影にも臨んだというが、これは台湾全土に流れる大会プロモーション用テレビCMの映像だった。コースに設置されている大型モニターでも、一日に何度もその姿を見ることができる。ラウンド後には現地のファンから写真撮影やサインも求められており、変なプレーは見せられないといった状況だ。
ただ、万全の状態で今季開幕を迎えられたわけではないという。「今のスイング、ショット力では女王を目指すうえで限界がある」と考え、オフにはスイングの修正に乗り出した。それも「自分の体は自分にしか分からない。スイングするのも自分」と、トレーナーなどもつけず、自ら考えて行っている。
飛距離も「ボールがつかまらず10~20ヤード落ちた」と話すが、その改善に向けて歩き方など、私生活からスイングで大事になる「軸」を意識。「時間が足りなかったけど、4月くらいにはバチっとくるんじゃないかな」。今はいわば“仕上げ”の段階といえる。
それがハマった時、いよいよ女王獲りに向けてさらに視線も鋭くなるはず。「一日一日を全力で過ごす。準備で勝負は決まる」。この難コースも、本格始動へ向けた大事な一戦。名実ともに日本ツアーの主役になるため、避けては通れない道のりだ。(文・間宮輝憲)
