白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。今季全36試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■富士通レディース(10月17~19日、千葉県・東急セブンハンドレッドクラブ、優勝:木村彩子)
最後のパットを沈めたあと、木村彩子は大きく両手を広げた。そのガッツポーズは、3年ぶりの勝利以上の意味を背負っていた。
この一勝が示したのは個人の復活だけではない。1995年度生まれ――かつて自らを「石ころ世代」と呼んでいた同学年が、今季ついにツアーの主役に躍り出た。
「日本女子オープン」を制した堀琴音をはじめ、永峰咲希、柏原明日架、金澤志奈。今季、同学年から5人目の優勝者となり、この次点での勝利数は黄金世代をも上回った。「祝勝会で、私も祝ってもらいたいなと思っていた」。その言葉どおり、この日は“迎える側”ではなく、“迎えられる側”として輪の中心に立った。
かつては、なかなか勝ち切れない時期もあった。初優勝まで7年、2勝目までさらに3年。「もう勝てない選手かもしれない」と思った夜もある。それでも、スイング改造に取り組み、自分のゴルフを疑わず積み重ねてきた。その時間が、この一勝につながった。
「メジャーチャンピオンになりたい」。優勝スピーチで口にした次なる目標は、控えめではない。11月で30歳を迎えるが、本人は「いまの方が、技術も気持ちも上がっている」と言う。
石ころは、磨かれてこそ輝く。そのことを証明した一日として、この勝利は記憶に刻まれた。
