<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 2日目◇11日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6525ヤード・パー72>
その年のプロテスト合格者ナンバー1を決める新人戦。2023年からはドライビングディスタンス賞が設けられている。ことしはこの日の18番パー4が計測ホール。6度目のプロテスト挑戦で合格した木村円(まどか)が326ヤードを記録して、98期生飛ばし屋ナンバー1の称号と賞金10万円を手にした。
やや打ち下ろしの18番。「左横の風」を計算してフェアウェイ左サイドをターゲットにする。「めっちゃ芯を喰ったわけではないのですが、飛んでそうとは思っていました」。快音を響かせて狙い通りに打ち出すと、ほぼストレートな弾道は風に流されてフェアウェイ右サイドで止まった。その時点でトップだった森村美優を10ヤード以上アウトドライブするショットだった。
身長173センチの長身を生かしてしなやかに振る。夏場はヘッドスピード47~48m/sでドライバーは平均270ヤードという前評判通りだった。
飛ばしのコツを聞いてみた。「振り抜くことです。あとは、きょう途中から風が強くなってきて、後半リキみがちだったので、最終ホールは力を抜くことを意識しました。肩から先をリラックスさせて手先も力を入れません。脱力してムチのようにしならせる打ち方でうまくいきました」。脱力こそが飛ばしにいいようだ。
“ドラコン賞”が決まると「やったー」と喜んだが、「そこだけです、きょうよかったのは…」。2アンダー・6位タイから上位進出を目指したが、「出だしからパッティングのアドレスが気持ち悪くて。3パット1回、ショートパットも3回ぐらい外しました」とスコアメイクには苦しんだ。この日「75」でトータル1オーバー・16位タイに後退した。
「パッティングをしっかり修正してあしたは臨みたい」。326ヤードと十分すぎる数字で名前を残したが、最終日は飛距離を武器にスコアでも存在感を示したい。(文・小高拓)
