白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。今季全36試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■ニチレイレディス(6月20~22日、千葉県・袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース、優勝:入谷響)
昨年のプロテストに合格した19歳・入谷響が、ルーキーイヤーでツアー初優勝を飾った。同期一番乗りの勝利。そのインパクトは、今季平均260ヤードに迫るドライバーショットと同じく、スケールの大きなものだった。
初優勝の余韻が残る会見の場で、入谷は早くも次なる夢を口にした。目標は、国内にとどまらない。
「アメリカで女王になること」
キャリアの最終地点に掲げたのは、世界最高峰の舞台だった。その思いを胸に、高校時代は「高校時代は一日1000球くらいは打っていました」という努力を重ねてきた。プロになり、そして初優勝へ。歩んできた道の先に、自然と世界が見えてきた。
海外挑戦の時期についても、具体的なビジョンを描いている一方で、「日本でも活躍したい」という気持ちも大切にしている。「2年、日本でやってから行くのもありだし、中嶋プロ(指導を受ける中嶋常幸)にもそう言われている。早くて来年、(遅くとも)2年後には行けるようにしたい」。その指標となるのが、「日本ツアーで5勝」。目標は明確で、道筋もすでに描かれている。
だからこそ、次に求めるのは継続的な勝利だ。2勝目、3勝目を積み重ね、その先に“アメリカで女王”という夢が待っている。19歳の大型ルーキーが描く未来は、すでに世界へと向かっている。
