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唯一の60台…三ヶ島かなが今季初の首位躍進 強風&自分との戦いに完全勝利「ビビらずできた」

今季ここまでトップ10入りのない三ヶ島かなが、首位に並んで最終日へ向かう。

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2025年6月1日 09時00分

三ヶ島かな、この日ベストの「68」をマーク
三ヶ島かな、この日ベストの「68」をマーク (撮影:佐々木啓)

<リゾートトラスト レディス 3日目◇31日◇グランディ鳴門ゴルフクラブ36(徳島県)◇6585ヤード・パー72>

決勝ラウンドに進んだ67人のこの日の平均ストロークは『74.9104』。起伏のある難解なグリーンに、難しいピン位置、この日はさらに見えないハザードが加わった。最大瞬間風速は台風並みの15.9m/s。今回と同じコースで開催され、最終日が中断→中止となった2016年を再現するような強風が選手を苦しめた。

【写真】朝からダッシュ! 危うく遅刻に苦笑いの吉田鈴さん

「風は気になりました。でも、最近はビビッてゴルフをしていたけど、きょうは自信を持ってプレーできた。それが一番大きいですね」

首位と3打差の10位から出ると、残り134ヤードの3打目をピンそば3メートルにつけたパー5の5番でバーディを先行させた。さらに7番でも2メートルを沈め、前半で2つスコアを伸ばす。後半は3バーディ・2ボギー。アンダーパーがわずか5人というタフなコンディションのなか、ただ一人の60台となる「69」は出色のラウンドだった。

「練習ラウンドはめちゃくちゃいいのに、試合になった瞬間に自分じゃない自分が出てきていた。対応できない、どうしようと…。それにビビッていました。結局、自分との戦いなんですよね」

2023年3月に左膝のじん帯を損傷した。患部にはテーピングを施し、その年は戦ったが、メルセデス・ランキング(MR)は66位に終わり、MRでのシードは喪失した。昨年もMR62位。だが、統合シーズンの20-21年の最終戦となる国内メジャー「JLPGAツアー選手権リコーカップ」の初優勝で得た3年シードの権利は行使せず、昨季も今季もQTを突破してシーズンを迎えた。だが、今季も前週まで10戦すべてに出場して5度の予選落ちで、トップ10入りは一度もなし。職場は確保できても、苦しい試合が続いていた。

お目覚めの「69」で今季初めて首位に立った。「きょういきなりできたわけではなく、少しずつの積み重ねだと思います」。左膝は昨年5月に完治したが、弱気な気持ちが自分を勝手に追い込んでいた。出るはずもないオバケにおびえていた自分はもういない。

昨年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」以来となる最終日最終組から2勝目を目指す。「明日が楽しみ。生きているって感じがします。今まではチ~ンだったから」。ゴルフはメンタル競技。「自信」という最大の武器で混戦のV争いを制してみせる。(文・臼杵孝志)

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