フラグシップモデルの『Diamana(ディアマナ)』や、高性能素材・技術が散りばめられた『TENSEI(テンセイ)』など、多くの支持者がいる人気シリーズをラインナップに揃えるシャフトメーカーの三菱ケミカル。もちろんプロゴルファーからの信頼も厚く、同社のシャフトを愛用して活躍につなげている選手をトーナメント会場のいたるところで見かけることができる。何が魅力なのか? 日米女子ツアーの会場で、トッププロたちに聞いてみた。
今年、米ツアー参戦10年目に突入した米通算7勝の畑岡奈紗がエースとして信頼を置くのが『Diamana WB(53S)』だ。シリーズ誕生から20周年の節目を迎えた2024年1月に一般販売された第6世代は、手元側がしなり、先端部の剛性が高く設計されたモデル。畑岡が愛用している理由は「すごく振り心地がいい」という部分だ。
「今まで使ってきたシャフトはベーシックなものが多かったのですが、(Diamana WBは)手元よりの調子だけど、ちゃんとヘッドが走ってくれる」と、その使用感に満足する。先端部のねじれ量を最適化する技術「New Tip Technology」が使用され、高慣性モーメントのヘッドでもスイング中の挙動が安定するのがこのモデルの“ウリ”。「替える予定は…今のところ無いです!」と断言もする。これが今季平均269.90ヤードの飛びと、73.15%のフェアウェイキープ率を生み出している。
また参戦4年目の今季、米初優勝を目指す勝みなみがドライバーに挿しているのは『Diamana GT(50S)』。やはり同社を代表する製品とともに活躍を続けている。こちらは『Diamana ZF』の後継として22年に発売された、中元調子のモデル。「手に伝わる感触が一番大きいので、特にドライバーシャフトにはこだわっています」という勝は、「色々なメーカーを試しましたが、三菱しか使えないです」と“ぞっこん”だ。
気に入っているポイントとして、「ほどよい硬さで、しなってくれるけど先は硬い。体と一体化して振れるシャフトです。ケガ(大きなミス)も少ない」という点を挙げる。低スピンで強い球筋を生み出すエースが、今季の平均飛距離270.36ヤードを誇る日本屈指の飛ばし屋を支えている。「出た時からずっと『GT』で、(クラブのなかで)ここは一番替えられない。絶対に廃盤にならないで欲しい(笑)」。今季4度のトップ10入りと、さらに雰囲気が高まる初優勝を後押しするギアになりそうだ。
日本ツアー会場では、Diamanaと双璧をなす使用率を誇るTENSEI愛用者に話を聞いてみた。緑の芝に映える青をまとう『TENSEI Pro Blue 1K(50S)』を使っているのが、今季1勝で、現在メルセデス・ランキング4位につける菅楓華。女王候補と目される21歳のホープなのは言うまでもない。
「タイミングが取りやすい」という部分をシャフト選びの軸に据える菅は、クセの少ない中調子のこの製品を、ルーキーイヤーだった24年6月の「アース・モンダミンカップ」から使用し続けている。「修正がすごく効くし、いろいろ操作することなく振りやすい」という“素直さ”がお気に入り。現在、ゆっくり目のスイングを心がけているとも話すが、「このシャフトだとスイングが速くならない。リズムが速くなると曲がってしまうし、“ゆっくり”を心がけている人におすすめですね」と、取り組みにもピッタリな様子だ。
「あまりしなりすぎるのが好きではなく、しっかりしたシャフトが好み」と話すのは、昨年受けた左手首のTFCC損傷手術からの完全復活を目指す小祝さくら。そんなツアー通算12勝の実力者は、『TENSEI Pro White 1K(50S)』を愛用する 。
手元側に緻密でしなやかな織目の独自カーボン「1Kクロス」を使用する同シリーズにおいて、これは先端部の硬さが特徴のひとつ。「ほどよい硬さで、しっかりしているし、弱すぎない感じが好きです」と、強く叩いてもミスにつながらない振り心地が、球の高さと精度を生み出している。今季はすでに先週までに13試合に出場し、「全米女子オープン」でも予選を通過した。心強い“相棒”とともに、完全復活を印象づける勝利をつかみたい。
「宮里藍 サントリーレディス」の会場で同社は、『TENSEI Pro Orange 1K』の新モデルと見られる未発表モデルを投入。菅、小祝はもちろん、ツアー通算6勝の穴井詩や、同3勝の大里桃子ら、多くの選手が興味を示し、テストを重ねて満足そうな表情を浮かべていたのが印象的だった。この新製品がどんな特徴なのかも気になるところ。これからもゴルファーのスコアアップへ、三菱ケミカルは情熱を傾けてくれるはずだ。