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衝撃のハーフ『29』に「怖くなりました」 ルーキー・入谷響が考える“初優勝”へのラストピース

後半一気にアクセル全開!入谷響が衝撃の『29』で初優勝に王手。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年6月21日 17時50分

後半一気にアクセル全開、入谷響が初優勝に王手
後半一気にアクセル全開、入谷響が初優勝に王手 (撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 2日目◇21日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6594ヤード・パー72>

インを回った後半だけで7バーディ。ハーフ「29」という異次元ゴルフで、ルーキーの入谷響がトータル12アンダーの単独首位に躍り出た。2週連続優勝がかかる2位の高橋彩華とは4打差。初優勝へ、絶好のチャンスが訪れた。

【写真】止まらぬバーディ量産!入谷を支える新パター

この「29」は、これまでの「31」を2打上回るハーフ自己ベスト。その号砲は、1メートルのバーディパットを沈めた10番パー5で鳴らされた。11番で50センチ、12番は“お先に”を沈めると、13番も3メートルとピンに絡め、それをねじ込む。4連続バーディに飽き足らず、16番からは3連続バーディでとどめを刺す。「楽しくなりました。ただ『また入ったか』って怖くもありました」と、笑いも止まらない。

「調子に乗らないように、ホールごとに気持ちを切り替えた」のが、このスコアの要因でもある。1.5メートルを沈めた18番は、「ラインが見えた」というほどで、いわゆる“ゾーン状態”に入っていた。手綱は緩めず、メリハリをつけて着実に。豪快なプレーだけでなく、繊細なマネジメントも冴えわたった。

開幕2日前の今週水曜日には「いきなり」パターをチェンジ。「そこまでパット数もいいわけではなかったし、気分転換で」と、テーラーメイドのピン型パター『TPコレクション デルモンテ TB1』に替え、それが仕事をした。ネックが三角のトラス構造が特徴。そこにフジクラのパター用シャフトを挿した一本が、今季ここまで平均パット数(1ラウンド当たり)『30.4884』(81位)だった入谷のグリーン上に、初日「29」、2日目「25」という効果をもたらしてもいる。

昨年のプロテストに合格したルーキーだが、今季ここまでの14試合すべてに出場。すでにトップ10入りも4度果たしている。単独トップで最終日を迎えるのは、4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」に続き2度目。最終日最終組入りも、その試合以来となる。

この時の優勝争いで痛感したのは、「体力が残っていないと優勝は難しい」というもの。対策として「ガツガツやっていた練習もセーブする」という方法を取っている。初優勝がかかるが、2日目のラウンド後の練習も「慣らし運転」でやる程度。「早く帰って休みます」と、体調面も、しっかりと万全を期す。

「あしたは自分との戦い。周りも気にせず、体力も維持しながら。焦りもでるかもしれないけど落ち着いて」と、気を引き締める。『258.21ヤード』で2位のドライビングディスタンスが注目されるが、パーオン率も『74.0310%』の3位とショットのキレ味も鋭い。直近4試合だけでも、トップ10入りは2度。 昨年のプロテスト合格組の96期生で、初のレギュラーツアー優勝者が誕生するのか?  (文・間宮輝憲)

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