「シャンシャン選手はワキを締めたまま、 肘、手元、ヘッドの3点がしっかり身体の前で管理され身体を回しています。まるで『でんでん太鼓の動き』ですね。レベルターン(腰や肩を地面に対して水平に回すこと)をしてドカーンと体の重みを伝えていく。彼女のスイングを見ているとなんだかスイングが簡単なものに見えてしまいますね」
■最後まで食らいついた鈴木愛 昨年以上の成績に導いた好調ショット
そんな米ツアー勢に日本総大将として一矢報いたのが鈴木。連日スコアを伸ばし、あと一歩のところまでシャンシャンを追いつめた。得意のパットは「中々入らなくて腹が立った(鈴木)」と納得できるものではなかったが、それでもこのスコアを出せた要因は「3日間ともすごく良かった。後半はずっとチャンスについていた(鈴木)」というショットのおかげだ。辻村氏は最終日の朝練習で、好調の秘訣を見たという。
「練習場でショットを見たら、両手をスプリットというか右手と左手の間隔を離していました。それを見て、クラブのシャフトとヘッドの位置を必ず『身体の前でコントロールしたい』のだと強く感じました。この練習はアマチュアの方にもとても良い方法です。右手が遠くを持つということは、ダウンスイングからヘッドの位置のコントロール、なるべく体の前で打つということ。体がグッと入ったときにヘッドも付いてきてくれるイメージを持てるように、スプリットに握っているんです。ダウンスイングからインパクトにかけてお腹が開く選手が多い中、鈴木さんはヘッドと体の線が一直線でボールに乗ってくる。お腹とヘッドの線にあまりブレがない。それが今年のショット好調の理由だと思います。残り3試合にも期待が持てるのではないでしょうか」。
また、第1ラウンド前日の木曜日にも質の高い練習を見たという。「練習ラウンドの時にインコースをウェッジとパターだけで回っていました。そしてグリーン周りを入念にチェックしていたんです。試合を想定してできているなと思いました。ショットにかまけることなく、ショートゲームにも余念がない。そして最後は自分の調子ではなく、コースとの戦いだと分かっている」。ショット好調に甘えることなく、自分のやるべきことが分かっているからこその優勝争いだったのだ。
鈴木はこの2位で賞金ランク1位に浮上。2013年の森田理香子以来となる日本勢の女王戴冠が見えてきた。