<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 初日◇10日◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川県)◇6755ヤード・パー72>
「恐怖しかなかった。どんなスコアになるのかなって…」。プロ2年目の平塚新夢は、開幕前にこの北陸屈指の名門を回り、こんな感想を抱いた。80ミリに設定された長いラフに深いバンカー。ここが使用された2008年の選手権の優勝スコアは5アンダーで、15年の「日本女子オープン」も2アンダーという難コースを前にすれば、それも当然かもしれない。
だが、そんな難所で初日はバーディとボギーが3つずつのパープレーと耐えた。「頑張りました」と笑みもこぼれる。8番までに3つのボギーを叩きながら、9番パー5のバーディから流れが一変。10番ではカップの手前6ヤードのカラーから、ウェッジでチップインバーディも決めた。「短かったですけど、あれで気持ちが楽になりました」。14番でもバーディを重ねてスコアを戻しただけに、価値も大きい。
QTランキング57位で開幕を迎えたが、5月の「NTTドコモビジネスレディス」の5位などもあり、第1回リランキングで優先出場順位を27位まで上げた。ただ、最近は「北海道meijiカップ」から4試合連続で予選落ち。苦しい時間を過ごしてきた。
打開策は「いつもより練習しました」。そう言ってニッコリ笑う。「ショットがブレていて。ツアーに出ていればそういう時も来ると思うんですけど、うまい具合に調整できずダラダラと来てしまった」。普段は練習場で100球も打たないボールを、最近は「150~200球」ほど打ち込んでいる。フルショットばかりではなく、ドライバーからアイアンまでとにかく基礎的な練習に時間を割いてきた。
今年5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に続き、これがメジャーは2試合目の出場。この女子プロ日本一決定戦は初めて戦う。「すごくラフが長いというのは聞いてました。今回のラフも浮いてくれればいいけど、ハマると終わりという感じのラフ。想像通りですね」。しっかりとメジャーセッティングを体感している。
ツアー生活を続けるうえで、男性5人組のダンス&ボーカルグループ『Da-iCE』の存在も力になっている。ライブやイベントにも足を運ぶ。“推し”は花村想太。スコアブックには、しっかりと写真も挟み、ともに戦っている。「私は来年も再来年もゴルフをするけど、想太がいつまで続けるか分からない。自分都合ではないので」と、その活動も手は抜かない。
幼少期に「血小板減少性紫斑病」、2018年には「成人発症スチル病」という2つの指定難病、そして7度のプロテスト挑戦を乗り越えてたどり着いた大舞台。開催地の石川も「古着屋さんを巡ったり、グルメを楽しんだり、海辺に行ったり。観光で来たいですね」とお気に入りの地になった。イーブンパーは21位タイ。上位を狙える位置だが「きょうはよかったけど、明日、どうなるかは全然分からない」と気を引き締めながら、4日間を戦い抜く。(文・間宮輝憲)
