<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇6日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
女王様は強くて、うまかった。10バーディを奪い、2日間ボギーなしの「62」。17位から出た佐久間朱莉が自己ベストを1打更新する圧巻のゴルフで、単独首位に躍り出た。
「難しいセッティングで10アンダーを出せて、自分でも本当によくできたなぁと思います。きょうは風も穏やかだったこともあるし、ショットもパットもフィーリングよくプレーすることができました。ナイスですね」
インから出た11番パー5がバーディラッシュの幕開けだった。2打目をグリーン左のバンカーに入れ、そこからピンまで27ヤードを54度のウェッジで2メートルにつけた。「ちょっと距離があって、スピンが入らないと奥に行ってしまう状況だったけど、しっかりスピンがかかるいいバンカーショットが打てた。オフに練習してきた成果が出てくれた。きょう一番うれしかったバーディです」。納得のショットから奪った会心のバーディ。あとは一気呵成(かせい)だった。
16番から3連続バーディ。18番パー5もグリーン左バンカーからの3打目をピンそば1メートルにピタリとつけた。ハーフターンした後半も3番からの3連続など4バーディ。まさに圧巻だったが、開幕戦の舞台である琉球GCでのトーナメントコースレコードに並ぶ「62」がどれだけ価値があるかは、歴史が物語っている。
この大会での最初の「62」は23年前までさかのぼる。2003年大会の2日目に具玉姫(ク・オッキ、韓国)がマークした記録は、この日の佐久間まで並ばれることすらなかった。当時は6302ヤードと今大会より300ヤード以上も短いが、日進月歩の用具の進化を考慮すれば、とてつもないスコアだったことは容易に想像がつく。
同じく具玉姫が1998年の「伊藤園レディス」2日目に出した「63」は今も破られていないトーナメントコースレコードだが、2020年に山城奈々、23年には西郷真央と永井花奈が「63」をマークした。この大会の「62」は誰にも並ばれることはなかった。現在も継続している大会で単独でコースレコードを守ってきた、いわば”最古”ともいえる記録に並んだ。
「すみません。具玉姫さんという方は知らないんです」
2002年生まれの23歳の新女王は申し訳なさそうに話したが、それも無理はない。日本ツアー通算23勝、海外1勝と韓国女子プロのパイオニア的存在だったが、13年に急性心筋梗塞のため静岡・沼津市の自宅で亡くなった。まだ56歳の若さだった。
レジェンドの記録に新しい女王が並んだ。開幕戦での初日から2日連続ボギーなしも、99年の具玉姫、2018年の李知姫に並ぶツアー記録。3日目の8番パー3まで継続すれば、開幕からの連続ボギーなしはツアー新記録の「44」となる。
「この難しいコースでボギーなしは大きい。いつかはボギーが来ると思うけど、しっかりとバーディを取っていけるプレーをしていきたい。オフにやってきたことをどれだけ出せるか、ワクワクしながらやっています」
2打の貯金を持って臨む決勝の2日間。早くも指定席に座った女王が記憶と記録に残る開幕Vを目指し、2026年も主役を演じる。(文・臼杵孝志)
