<ニチレイレディス 初日◇19日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6590ヤード・パー72>
10メートル、2メートル、4メートル。上がり3ホールで連続バーディを奪うと、ツアー1勝の木戸愛は思わず笑みをこぼした。「気持ち良かったです」。7バーディ・1ボギーの「66」をマークし、首位と2打差の6アンダー・2位につけた。
2グリーン特有の小さいグリーンを狙うために意識したのは、フェアウェイをキープすること。左右を木々が囲む狭いコースとあって、ティイングエリアでドライバーを握らないことも多い。
「集中して、イメージを持って打ちました」。この日のFWキープ率は57%(8/14)。そこに持ち味とするショット力を生かして、「スコアが出るコース」という大会でリーダーボードを引っ張った。
2019年にシードを喪失して、一時は苦しい時間を過ごした。しかし、23年シーズン後にジャンボこと尾崎将司さんの門を叩くと、翌年、シード復帰。上位争いの回数が増えていった。
尾崎さんは昨年12月24日、S状結腸がんのために亡くなった。主宰していたジュニア養成所『ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー』は今年3月に閉校。それでも、メルセデス・ランキング23位と今季も好調をキープできているのは、ジャンボの教えがいまも木戸のなかに息づいているからだ。
「大きなテーマはしっかり振ること。試合が続くと合わせるようになってくる。前さばき(フォロー)で振れるような微調整をしています」。定期的に帯同するアカデミーの元コーチ・山田竜太氏からアドバイスを受けながら、とにかく“振る”ことを意識。「いまでもジャンボ邸で練習させてもらっています」と、存続未定の練習場を拠点に汗を流し続けている。
1998年のツアー制度施行以降、最年長ブランク優勝記録は金田久美子が持つ11年189日。木戸が優勝すれば、それを超える記録になる。プレーオフで永峰咲希に敗れた「資生堂・JALレディス」以降、最終日最終組を4度(資生堂を除く)も経験。今季は「KKTバンテリンレディス」3位、「ヨネックスレディス」2位と惜敗が続く。
「プレッシャーにはなっていないかも。逆に“達成したいな”という気持ちです。自分のゴルフをどんどん良くしていきたいという思いが強い。やり続けていることは変わらないけれど、その積み重ねがいい方向に向かっていると思います」
一歩ずつ、コツコツと。2012年7月「サマンサタバサレディース」以来となる勝利に向けて、その歩みは確実にゴールへ近づいている。(文・笠井あかり)
