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最終組が割を食った予選ラウンド 主催者に問われる“予定通り”の競技進行【記者の目】

最終組が割を食った予選ラウンド 主催者に問われる“予定通り”の競技進行【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2022年10月5日 12時36分

だからといって「予想よりもプレー時間がかかってしまった」と片付けてしまっていいのだろうか。スタート時間が遅れたわけでもなく、悪天候やトラブルで競技が中断されたわけでもない。風も穏やかで、快晴だった。まさにゴルフ日和ともいえる絶好のコンディションだったのにも関わらず、“日没との戦い”を強いられたことが問題なのだ。

プレー時間がかかった原因には、もちろんコースの難しさも関係している。難しくなれば選手は打つ前にマネジメントで悩む時間も増え、打つ回数が多くなれば自然と時間がかかる。しかし主催側は、シミュレーションによって1ホールあたりの予定配分時間を設定しており、それに基づいて組み合わせを作成した。ではそれよりも時間がかかっていしまっているとき、どれくらい選手を急かさせたのだろうか。

ボールに着いてからマネジメントを考える時間を減らすような指導をするもよし。警告を出してプレーが早くならないのであればペナルティで罰するもよし。移動に時間がかかるホールバイホールでカートを使用させるでもよし。難しいセッティングをつくるだけでなく、“予定通り競技を行うこと”こそ、主催側が注視して取り組むべきことだと思う。

午前組、午後組に分けられるなど“完全に公平”とはいえないゴルフという競技だからこそ、せめて、選手たちが全力のパフォーマンスを行える状態でプレーさせてあげることが主催側の責任だ。全体の遅延を、真っ暗のなかで投光器を点けることで解決しようとし、最終組あたりの選手たちが不利な状況でプレーし、割を食っているように思えた予選ラウンド。さらにいえば、初日で日没ギリギリになってしまったのであれば、2日目は朝イチからその対策を講じられたはずなのに、初日以上にプレー時間がかかってしまっている。

もちろん選手には『サスペンデッドを選択する権利』もある。しかしそれを選択すれば、午前7時前に設定されるであろう3日目のスタート時間まで12時間もなく、クールダウン、食事、睡眠、ウォーミングアップに時間が足りないことは目に見えて分かっている。

私の想いはただひとつ。アマチュアも多く参加できる120人というフィールド、メジャーらしい難易度の高いセッティング、ギャラリー数を無制限にできる大会の規模。何ひとつ欠けることなく、このような大会がずっと続いてほしいということ。プレー遅延については、さまざまなことがかみ合って起きるため、一概にこれが悪いとは言えない。その解決策も一筋縄ではいかないかもしれない。だからこそ、主催者側はもっと“プレー時間”に着目して、全選手ができるだけフェアにプレーできるような運営をしてほしいと思う。(文・笠井あかり)

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