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西郷真央が見せた2つの成長 稲見萌寧は高精度から“重たい”高精度に進化【辻にぃ見聞】

西郷真央が見せた2つの成長 稲見萌寧は高精度から“重たい”高精度に進化【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2022年3月8日 11時30分

「あそこであの決断をサッとできる。勝つか負けるかというときにあの決断ができたのはこれまでの経験を生かしている証拠です」と辻村氏。さらに「16番も17番もそうですが、パッティングのタッチが今までのジャストタッチより少し強い。勝負どころでこれができたのが強さ、成長の証です」と続ける。

■稲見萌寧の進化、対抗馬は西郷真央

「間違いなく稲見萌寧選手の対抗馬は西郷選手です」と辻村氏。昨季9勝を挙げ、圧倒的な勝率を誇った女王を脅かす存在が西郷だとした。ところで、その稲見は辻村氏の目にどう映ったのか。「スイングが大きく変わったわけではないけど、地面の踏み込み方、地面の捉え方、噛みしめる感じが20%増えました」と力強さの部分を強調した。

元々精度には定評のある稲見だが、「精度のいいダウンスイングに“重たい”が加わった。動きそのものというより、腰が重くなった、体重以上に重さを感じるスイングになりました」と分析する。稲見自身も周囲から「体が大きくなった」と指摘されるようだが、実際はそれほどでもない。スイング時でも、この見た目の重みが強さへと変換されているということだ。

「稲見選手はつまり、バージョンアップの仕方がいい。腕など外の動きが変化したのではなく、重みを使った下方向へと変化が向かった。変化の方向性がすごくいいんです」と賞賛。最終日にはやや失速したが、「今年もいくぞというアピールは十分だったのではないでしょうか」(辻村氏)。1戦目を獲った西郷、重みが増した稲見。春先はこの2人が主役争いの中心となりそうだ。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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