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好調ショットメーカー同士の真っ向勝負 クラブ選択に表れた稲見萌寧の大いなる自信【辻にぃ見聞】

好調ショットメーカー同士の真っ向勝負 クラブ選択に表れた稲見萌寧の大いなる自信【辻にぃ見聞】

配信日時:2021年4月12日 16時00分

■絶好調の2人が見せた技術の応酬
また、稲見はその右ラフからのショットも「見事だった」と辻村氏。ツマ先上がり左足上がりで右のピン。奥にこぼせば難しいアプローチが待っている。「ユーティリティでカットめに上手く入れて、いいフェード打っていました。つかまりやすいクラブで、このライなら普通左に行ってしまう。それを想定して右を向くのが定石ですが、稲見さんは傾斜地でもレベルに打ってフェードで攻めていました。球際のうまさを感じましたね」。ティショットを曲げてもパーを拾って次のホールで勝負。さすがというほかない。

一方で小祝も随所に素晴らしいプレーを見せた。1ホール目で決めた2.5メートルのパーパットはもちろん、2ホール目ではピンまで約20ヤードあるバンカーショットを寄せて、8メートルのバーディパットを残していた稲見にプレッシャーをかけた。「あれはずっと取り組んでいるバンカーショットの練習のたまものだと思います。足が止まっているように見える方がいるかもしれませんが、ヒザ、腰、体がしっかり回っています」とお互いの技術が詰まった2ホールだった。

■気力・体力ともに充実している上位勢はまさに春の陣 来週まで続きそう
稲見、小祝以外にも優勝争いに加わったのはすでに今年優勝している岡山絵里、そして優勝こそないもののトップ3に2度入っているペ・ソンウ(韓国)。調子の良いショットメーカーたちが今週も大会を盛り上げた。オフを挟んでショットに磨きがかかり、アプローチ、パットの精度が上がっているからだが、そこにはこれまでの6試合のコース、展開も関係しているという。

「春先の試合は肌寒いですし、風が強い日もあり、雨も降ります。芝だって今の時季はまだいい状態とは言い切れない。また、コースも土佐や葛城といった難しいコースが続いている。そういう状況では総合力が問われるわけです。そのなかでこの選手たちはボギーが少ない。そしてコツコツバーディを獲っているから上に行ける。ゴルフはまずはボギーを打たないことが大事。そうして初めて“どこで獲ろうか”となるわけです」

その言葉通り、稲見はリカバリー率、パーセーブ率、ダブルボギー率で1位、サンドセーブ率も7位。「ウェッジのスピンコントロールもとてもいい」。ショットに目が行きがちだが、小技も抜群。まさに穴のない選手となった。それ以外も小祝がリカバリー率2位、ソンウは同4位、岡山は同5位と全員がトップ5。いかにボギーを打っていない選手が上位に来ているかがスタッツに大きく表れている。

この傾向は来週も続きそうだ。来週の熊本空港カントリークラブは、年間通してもかなりのロースコアの戦いとなる。「例年通りであればグリーンは硬いですし、さらに熊本はティショットの距離感も大事になってくる。飛び過ぎれば突き抜けるホールもありますからね。毎年フジサンケイあたりから状況は変わってくる。そういった意味でも来週までは、似たようなメンバーとなるのではないでしょうか」。またしても稲見、小祝の優勝争いとなるのか、はたまた2人に待ったをかける選手が現れるのか。

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