アゲンストの風が吹く状況ではあったが、「自分が思っていたキャリーが打てなかった」部分に問題点を求める。この状況に応じて距離を合わせることは、渋野が先週から意識的に取り組んでいることだ。このあと、打ち直しの5打目をピン左5メートルにつけると、そこから2パット。わずか2ホールで“+4”と、大きくスコアをロスしてしまった。
前日、ともにバーディを奪い、一気に順位を上げた2つのホールが、翌日になり一気に暗転。トータル1アンダー・32位タイまで後退させる、魔のホールになってしまった。そこまではチャンスパットがわずかにショートする場面などもありながら、しっかりと耐え抜きスコアを伸ばしただけに、あまりにももったいない結末になってしまった。
「悪いところは全部わかっている。それを修正したい」と話した渋野は、ラウンド後、まずは1時間30分ほど“特打ち”を敢行。ここではアイアンの調整に多くの時間を割いた。結局、アプローチ、パターも含めて約2時間20分の居残り練習を行った。すでに選手の多くが引きあげ、キーパーが練習グリーンを整える時間になっていた。「明日、不安な要素がなく臨めるように」。渡米直前の試合を、いい形で締めくくりたい。(文・間宮輝憲)