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全英後4カ月の喜怒哀楽 渋野日向子、「葛藤」からの「吹っ切れ」

全英後4カ月の喜怒哀楽 渋野日向子、「葛藤」からの「吹っ切れ」

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2019年12月2日 07時50分

申ジエ(韓国)との賞金女王争いが佳境に入るかと思われた11月。鈴木の猛烈な追い上げにあい、まさかの三つ巴の戦いに突入。3人が同組で争った「伊藤園レディス」では、初日こそ1アンダーで切り抜けたが、2日目はスコアを伸ばすことなくまさかの予選落ち。涙を流した。ここで終戦…。ここまで見せてきたストーリーはこのまま終わるのか。ここで一つの転機が訪れる。

予選落ち直後、青木コーチのもとに練習に行く車のなか。父の悟さんと何気ない会話を交わした。渋野も悟さんも詳しい内容を明かすことはないが、プロとしての心構え、「ファンを喜ばせるのがプロ」という基本に立ち返ることができた。ここで再び吹っ切れたのか、翌週の「大王製紙エリエールレディスオープン」で見事に優勝。鈴木との同組対決を制しての勝利。奇蹟の逆転女王に可能性を残し、最終戦に入った。

初日から3位発進。優勝か2位が逆転戴冠の絶対条件だったが、渋野の頭の中には女王の2文字はなかった。楽しく回る、ギャラリーを喜ばせる。そして、「私が勝手に名付けているんですけど」というチームシブコのために、関係者、家族、ファンに最後の笑顔を届けたいという思い。優勝、逆転女王は逃したが、今年のオーラスとなった最終ホールではバーディ。激動の1年を締めくくる満開の笑顔を咲かせた。

突如として出現したニューヒロイン。ゴルフ界の枠を越えて誰もが知るアイドルとなった渋野。11月に21歳になったばかりのルーキーにとっては、まさに喜怒哀楽が詰まったシーズンだった。それでも最後にバーディで締めくくるのは渋野らしさ。これまで見たこともないようなシンデレラストーリーを駆け上がったその姿には、やっぱり全身で表現するスマイルがいちばん似合っていた。(文・高桑均)

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