それからというものダイキンで勝つことが夢のひとつとなった。「それが現実となり、それで18番で涙を。まだ夢と現実の狭間でしたけど。プロになってまだ短いですが、いい年も悪い年もある。でも、頑張り続けたらいいことがあると改めて思いました」。念願がかなった瞬間、喜びが涙となってこぼれ落ちた。
開幕戦で地元Vでも、これはまだスタート。比嘉にはまだ夢がある。東京五輪への出場だ。今回、優勝したもののまだ上には畑岡奈紗と鈴木愛がおり、世界ランキングの大幅な上昇が求められる。「勝ちまくらないと届かない位置。毎週優勝争いをしないといけません」と前置きした上で、「チャンスがあるなら全力でつかみに行きたい。夢で終わらせず、自分でかなえたい」。地元大会優勝の夢をかなえても、まだまだ大志が尽きることはない。
他にも賞金女王という願いもある。「賞金女王はまだ考えていないですが、シーズン終盤で今日よりも成長していれば可能性はあると思います。今日みたいなゴルフをしていたら優勝争いで勝てませんから」。次なる夢へ。まだまだ歩みを止めるわけにはいかない。(文・秋田義和)