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石川遼優勝プレーバック 衝撃の初Vに池田勇太、梶川剛奨による名勝負【国内男子ツアー丸わかり】

国内男子ツアーが来週の「東建ホームメイトカップ」からいよいよ開幕する。そこで、ツアーを彩る選手たちのデータを様々な観点からチェック。今回は石川遼が挙げた優勝を振り返ってみる。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年3月21日 09時00分

2009年 コカ・コーラ東海クラシック


ゴルフ史に刻まれる名勝負が生まれた。愛知県にある三好カントリー倶楽部で開催された「コカ・コーラ東海クラシック」。首位からスタートした石川が息が詰まるような白熱の展開を制し、ホスト大会で圧巻の勝利を挙げた。

このドラマの出演者は最終組の3人。石川遼、池田勇太、梶川剛奨(現・梶川武志)だ。首位スタートの石川は出だしからアクセル全開。1番でいきなりチップインバーディを奪う最高のスタートを切ると、続く2番パー5もバーディ。同組の2人が足踏みをする間にどんどん差を広げていく。しかし池田、梶川も食い下がり、前半を終えた時点で差は2ストローク。そして、最高のエンディングへ向けて、バックナインでドラマが一気に加速する。

ハーフターン直後の10番だ。「9番で曲げていたし予感はあった」。石川はティショットを右に曲げOB。このホールダブルボギーを叩き、たった1ホールで前半の貯金を吐き出し、2人に並ばれてしまう。直後の11番でバーディを奪い首位の座を取り戻したが、14番で入れにいったパーパットを外すと、返しのパットも外してまさかの2つ目のダブルボギー。応援に訪れた大ギャラリーに落胆の雰囲気が流れる中、「優勝がなくなったとは全く思わなかった」。石川だけが自分の勝利を誰よりも信じていた。

続く15番ロングではダブルボギーのショックを引きずるどころか、約340ヤードをかっ飛ばす会心のドライバーショット。フェアウェイベストポジションからのセカンドはピンに向かって一直線に放物線を描くと、手前1メートルにピタリ。ダボを帳消しにする圧巻のイーグルで13アンダーに復帰してみせる。

難関の16番でボギーを叩き再び一歩後退したが、本当の見せ場は上がり2ホールだった。17番でセカンドをピン奥50センチにつけるスーパーショットでバーディ。同じくチャンスにつけた梶川は短いバーディパットを外し、なんと13アンダーで最終組3人が並んで最終ホールに突入した。

石川の最終ホールティショットは右のラフ。池田は大きく左に曲げ林の中に打ち込み、事実上優勝争いからここで脱落。勝負は梶川との一騎打ちとなった。フェアウェイからセカンドを打った梶川はグリーンを先にとらえる。そして、石川の残り約188ヤードのセカンドショット。フライヤーとアゲインストを計算して7番アイアンで放たれたボールは、グリーン中央方向へ真っ直ぐ打ち出された。「ギャラリーの気持ちがあそこに運んでくれた」と右サイドに切ってあったカップへ向かいフェードして、ピン30センチに着弾。18番グリーンに轟音のような歓声がこだました。

梶川の最後のバーディパットは強気で打つも入らずパー。この出来すぎたドラマに幕を下ろすバーディパットを決めた瞬間、主役の石川は力強く何度もガッツポーズを作った。

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