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蝉川泰果が貫いた“守って勝つ”より“攻めて魅せる”ゴルフ「セーフティは面白くない」

蝉川泰果が貫いた“守って勝つ”より“攻めて魅せる”ゴルフ「セーフティは面白くない」

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2022年10月24日 08時01分

日本オープン 最終日◇23日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7178ヤード・パー70>

とんでもないことが起きた。プロたちが「一度は獲りたい」とピークを合わせてくるナショナルオープンで、21歳のアマチュアが勝ってしまった。蝉川泰果(東北福祉大4年)は最終日こそ、トリプルボギーを打つなど「73」とスコアを落としたが、日本オープンらしいタフなセッティングの中で、唯一の2ケタアンダーを叩き出し、完全にコースもプロたちもねじ伏せた。

これだけ振っても曲がらない! 蝉川泰果のドライバースイング【連続写真】

近年では、石川遼にはじまり、松山英樹、金谷拓実、中島啓太、蝉川とアマチュアがツアーで勝つことは珍しくなくなったが、日本オープンでアマチュアが勝つのは1927年以来、95年ぶりの快挙。松山も金谷もアマチュア時代に優勝争いこそしたが、この日本タイトルには手が届かなかった。

日本オープンのような狭いフェアウェイ、深いラフ、硬いグリーン、厳しいピンポジションで戦う上では、「ボギーはしょうがない、いかにダブルボギーをうたないようにするか」というリスクマネジメントが大事とプロたちは口を揃える。今大会も最終的にアンダーパーが5人しかいなかった。日本オープンは過酷な戦いの“はず”なのだ。そのなかで一時はトータル15アンダーまで伸ばし、最終的にトータル10アンダーでの優勝は“異次元”のプレーだったと言ってもいい。

しかし、蝉川はボギーを怖れずにピンを攻め続けた。最終18番ティでは2位の比嘉一貴に2打差まで迫られていたが、当たり前のようにドライバーを強振しフェアウェイをとらえる。最終日の18番のピンポジションは左右の幅が狭い一番奥の難しいところで、バーディは5人だけ。蝉川のセカンドはピンまで残り167ヤード。無理せず確実に乗せて、2パットならほぼ優勝という場面だった。「すごく狭いサイドにピンが切ってあって、乗せれば勝ちかなと思った」。蝉川もそう考えた。

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