「自分の中でスプーンの打ち方が2つあるんですけど、ミスしてしまったので今日1日は封印しました」。堀川の中で3番ウッドは、払い打ちでドローボールが出る265〜270ヤード飛ぶ打ち方と、アイアンのようにやや打ち込んでライン出しのようにフェードで250ヤード飛ぶ打ち方の2つがある。3番ホールで使ったのは前者の打ち方だ。
「普通に打てばドローボールが打てますが、緊張した場面で一発目が打てなかったので、今日は使えないと思って消しました。もう1つの打ち方は緊張した場面でも打てるのでそっちに徹しました」。一発悪いイメージが出るとまた同じミスが出てトラブルになりかねない。その危険を回避して以前から2つのスイングを準備していたのも奏功した。
悪いイメージは特に嫌がる。15番パー4は打ち下ろしで右に池がある。2日目にドライバーで右に曲げて池に入れた。3日目からは3番ウッドで打つようにしたが、これは16番パー4のティショットのことを考えての選択でもある。
「打ち上げの16番は少し狭いですがドライバーを握りたいホール。15番でミスをすると悪い感触が残ってしまいます。16番でドライバーを握るために、15番は3番ウッドで打ちました。18ホールの流れのマネジメントもちょっと考えています。この日の16番はチップインバーディだったが優勝を決定づけるホールとして役立った。
ティショットが難しいコースだからこそ、際立った堀川の危機管理能力。4日間のフェアウェイキープ率は5位(73.214%)、パーオン率は8位(70.834%)、パーキープ率2位タイ(90.278%)の数字が物語る。前半戦、イップスに悩んだパッティングもYouTubeで共演した矢野東、丸山茂樹のお陰で封印に成功し、最後のピースがハマっての優勝だった。
