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「パットはオーバーしなくてもいい」 今季2勝目を挙げた43歳・谷原秀人のゴルフ論

「パットはオーバーしなくてもいい」 今季2勝目を挙げた43歳・谷原秀人のゴルフ論

配信日時:2021年12月6日 07時00分

勝負所で力を発揮 ベテラン・谷原秀人が初の日本シリーズ制覇
勝負所で力を発揮 ベテラン・谷原秀人が初の日本シリーズ制覇 (撮影:上山敬太)
ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇5日◇東京よみうりカントリークラブ(東京都)◇7023ヤード・パー70>

2位に1打差の単独首位で出た43歳の谷原秀人は、2つのボギーが先行する展開で一時は2打を追う展開になりながら、勝負どころの13番でバーディを奪うなど追撃。3バーディ・2ボギーの「69」と1つ伸ばして、トータル12アンダー。2位に2打差をつけて逃げ切りで今季2勝目、通算16勝目を手にした。

誇らしげに優勝カップを掲げる谷原秀人【写真】

プロ20年の経験はダテじゃない。2打リードで最終18番パー3を迎えた。強烈な受けグリーンが特徴で、1オンしても奥からのパットは神経をすり減らす。手前からのパットはしっかり打たないといけないが、オーバーすると返しがややこしくなる。横からは曲がりを計算するのが難しい。ダブルボギーも出やすい18番で谷原が選択したのは「グリーンに届かない番手で絶対にグリーンに乗せない」ことだった。予定どおり手前のラフに置き、寄せて、難なくウィニングパットを沈めた。昨年は首位タイで18番を迎え、グリーン手前に乗せたが3パットのボギーで敗戦。手前に乗せることもNGにして、“絶対に乗せない"ことで無難いパーセーブした。

谷原のプレースタイルは徹底している。例えばパッティングでの考え方。優勝争いの中、感情の浮き沈みがあるとプレーに影響を及ぼす。谷原は常に平坦な気持ちを保つために、「入ると思っていない」と考えて打つ。入れたいという気持ちがあると外れたときに、落胆したり、怒る気持ちが出てしまい、次のプレーに支障をきたしやすいという。

また、カップの30センチオーバーがいいとか“パッティングはカップをオーバーしないと入らない"とよく言われるが、それも否定する。「カップに届かないと入らないというのは分かるけど、オーバーさせて難しいパーパットが残ってストレスを感じたり、3パットするより、30センチショートして楽にパーパットを打てる方がいい」。谷原はカップの半径30センチの円の中に入れば、ショートでもOKという考えだ。これらも長年ツアーを戦ってきた経験の中で、スムーズにラウンドをこなすために導き出した答えだ。そうした考えをもって16勝を積み上げた。

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