片岡尚之が自己ベスト『63』で単独首位　年下の「師匠のおかげです」

＜ブリヂストンオープン　2日目◇8日◇袖ケ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース（千葉県）◇7119ヤード・パー71＞

「師匠のおかげです」。そう話したのは今年5月に行われた「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」で、プロ転向4試合目にしてツアー初優勝を遂げた片岡尚之。20位タイから出たこの日、8バーディ・ボギーなしの「63」をマークして、トータル11アンダーで2位に1打差の単独首位に立った。

片岡尚之、2021年のドライバースイング【連続写真】

出だしのピンチをしのげたのが大きかった。1番パー4はティショットを右に曲げて、2打目はグリーン左手前。超左足上がりの30ヤードのアプローチが残った。ボギーも覚悟したが「25ヤードに落として寄ってくれれば」という3打目はピンに当たって“OKパー”。続く2番パー4は3.5メートルのパーパットをしぶとく決める。3番パー4はパーオンを逃したが、チップインバーディ。息を吹き返すと、その後は7つのバーディを奪い、ツアーでは初のボギーなしラウンド。自己最小ストロークをマークした。出だしの内容から「予選を通れないんじゃないかと思いましたが、うまく切り抜けられました。8アンダーの要因です」と3番以降はうまく立て直せた。

ここ2戦は連続で予選落ち。得意なアイアンショットをはじめ、ショット全体の調子が悪いのが原因だったが、「いつも勉強させてもらっています。師匠のおかげでよくなってきました」と袖ヶ浦に乗り込んできた。その師匠とは、この2日間同組でラウンドした金谷拓実だ。年は金谷が一つ下だが、ナショナルチーム時代から親交が深く、東北福祉大でも同じ釜の飯を食べてきた。世界アマランキング1位になったり、プロ転向後も2勝を挙げて賞金王争いをする後輩を「師匠」と呼んでいる。

ショットが不調だった先週、金谷のスイングを撮影し、研究した。「僕は上から打ち込みすぎてダウンブローがきつくなっていたのですが、師匠は払うように打ちますし、フェースローテーションもしていません。どうやったらその動きができるか、体の動きとか考えました」。金谷のスイングイメージをと入り入れたことで、「普通の人ぐらい」の状態に戻ってきた。先週からスイング動画を繰り返し見てきたが、この2日間は生きた教科書が見放題。イメージもよくなった。「パッティングはよかったので、かみ合えばと思っていた」とショットが改善されて、絶好の位置で3戦ぶりの決勝ラウンドに進む。