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1オン期待で距離を縮めたのなら、あと10ヤード短くするべきではなかったか【記者の目】

1オン期待で距離を縮めたのなら、あと10ヤード短くするべきではなかったか【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2019年5月28日 12時08分

単純に距離を短くしたからといって簡単になるわけでもない。直接グリーンにボールを落とせば、奥まで跳ねて転がっていくリスクもある。難しいアプローチが残ってしまうだけに、しっかりと花道に落とすコントロールが要求されるのだ。そういうことを乗り越えて1オンに成功した選手には、しっかりとイーグルのチャンスを与えればいい。18番ホールには最も多くのギャラリーが集まっていただけに、さぞ盛り上がっただろう。

何かの事情でたとえ10ヤードでも短くできないのなら、それでも構わない。だったら、ピンポジションをもう少し考えるべきではなかったか。今回は初日から多くのホールで傾斜にばかりカップが切られていた。いいショットを打っても、それが報われない場面が少なくなかったのは確かだ。18番ホールにしても例外ではなく、そう簡単にパットを入れたり、寄せ切れる位置にピンは立っていなかった。

最終日、大槻と星野はプレーオフも入れると、18番をそれぞれ5回ずつプレーしたことになる。しかし、バーディを奪ったのは2人合わせて2回しかない。優勝争いというプレッシャーがあったにせよ、17番までに大槻は6個、星野は9個のバーディを奪っていた。にもかかわらず、バーディを簡単に奪えなかったのは、ピン位置に理由があったのではないか。仮に、もう少し距離を短くしておけば、また違ったプレーオフが見ることができたかもしれない。

ちなみに、1オンを狙えるパー4のホールはほかのトーナメントでもある。例えば、「ダンロップスリクソン福島オープン」では、9番ホールが打ち下ろしになっており、日によってはティイングエリアを前に出し、1オンを狙えるようにしている。この試合では、主催者でもあるJGTO(日本ゴルフツアー機構)がピン位置を決定しているので、極端な傾斜に立っておらず、1オンに成功した選手がイーグルを奪う場面も珍しくない。それを知っているのか、毎年最終ホール並みにギャラリーが集まってくる。

今大会でのプレーオフでも、それこそイーグルで決着をつけたとなれば、より注目度が高まったはず。単純に結果だけ見た人は、短いホールでバーディをとれないのはなぜ? と感じたのではないか。技術が足りないといわれたらそれまでだが、勝った大槻も、敗れた星野も素晴らしいドライバーショットを放ち続けていた。それを生かし切れるようなセッティングではなかったことが残念でならない。(文・山西英希)

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