国内ツアー8勝のシニアプロ深堀圭一郎に聞いた寒い冬に、室内で取り組むべきパターの“コソ練”をご紹介。第2回はゲーム感覚で取り組めて、ショートパットのスキルが向上する「ボール追いかけドリル」だ。
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【パター練習は飽きの来ない工夫が必要】
寒い屋外で行う練習は、体にかかる負担が大きく、ケガのリスクも高くなります。そんな状況でただ闇雲にショットを打つよりも、温かい室内でパッティングのスキルを磨く方がスコアアップにつながります。今回は、楽しみながら上達できるおすすめの“コソ練”をご紹介します。
パターの上達には、ストロークの反復練習が欠かせません。しかし、ずっと同じ場所から、ひたすらボールを打つ練習はどうしても飽きが来て、集中力が下がり、打ち方が雑になったりします。それを防ぐには、練習にゲーム性を持たせましょう。楽しみながら取り組むことで、集中力が高まり、効率良く上達することができます。
ではどのような工夫をすると良いのか。ぜひ試してほしいのは「ボール追いかけドリル」です。
このドリルは、ボールを2個用意すれば取り組むことができます。1つはストローク用、もう一つはボールを当てるターゲットになります。
まずはターゲットとなるボールを50センチほど離れた位置に置き、それを狙って、もう1個のボールを打っていきます。成功してボールが動いたら、再び止まった位置からストロークして、もう一方を狙う、といった具合に、ボールを追いかけるように打っていくのです。
ただの反復練習とは違い、毎回位置の変わるボールに連続で当てていくというゲーム性が加わるので、楽しみながら取り組むことができます。例えば「5回連続で当てたら成功」といったテーマを加えるのも良いでしょう。これだけで飽きずに取り組みやすくなるはずです。
慣れてきたらボールを置く位置を80センチ先、1メートル先と離していきましょう。距離を変えてドリルを行うことで、距離感も磨かれるはずです。ただし、ボールを遠くに置き過ぎるのは禁物です。ボールに当てようとする余り、ストローク中に頭が動く可能性があるからです。アドレスを取ったときに視界の中に収まる距離にターゲットとなるボールを置くと、頭が動かない安定したストロークが身に付きやすくなります。
【小さいボールに当てるには丁寧なアドレスが必要】
この「ボール追いかけドリル」を行うメリットは、ショートパットに強くなることです。なぜなら、ターゲットに構えるアライメント力としっかりヒットする感覚を同時に磨くことができるからです。
カップよりもずっと小さいボールに当てるには、フェースを正確にセットする必要があります。しかも、ドリルを続けていけば、2つのボールは不規則に動いて位置を変えます。最初にアドレスを取った方向とは90度以上、向きが変わることもあるでしょう。1球1球丁寧にアドレスを作らなければ、連続してボールに当てることはできません。
そして、正しくアライメントを取れたとしても、ストロークに緩みがあれば、ボールに当たらない可能性があります。これを防ぐには、打つ前に振り幅を決めておき、本番もその振り幅でしっかりとストロークすることを意識しましょう。振り幅を小さめに設定すると緩みが出にくくなります。
ターゲットに対してスクエアに構え、緩まずしっかりヒットしていく。コースでショートパットを決めるために大事なことが、このドリルに詰まっているのです。
【アライメントの取りやすいパターを見極めることも大切】
「ボール追いかけドリル」を行う際は、ぜひ、さまざまなタイプのパターを使ってみてください。シビアなアライメント力が求められる練習ですので、自分にとって構えやすいパターがどんなものなのか、知る良い機会になるはずです。
パターを構えるときの基準は人によって異なります。トップラインやヘッド全体の形状を見る人もいれば、サイトラインを基準に向きを合わせる人もいるでしょう。連続して構えて打つ練習を繰り返すことで、自分にとってアライメントの取りやすい形状、デザインがどんなものか知ることができるわけです。
ちなみに私の場合は、ネックからフェースにかけてのつながり、見え方を大事にしています。ここで違和感があると構えにくくなりますし、ストロークの精度にも大きく影響します。プロアマ問わず、構えやすいパターを使うことはとても大切なことなのです。
自分に合ったパターを見極めるには、片目をつぶって打ってみるのもおすすめです。人には利き目があり、両目でものを見るときでも、利き目が主になっていることが多いです。そのため、片目をつぶり、利き目だけでヘッドを見てストロークしたときに構えやすく、打ちやすいパターはあなたに合ったモデルだと言えるでしょう。
利き目を知るには、親指と人差し指で丸を作ります。そのまま両目で見た状態で、丸の中に壁かけの時計などが入るように位置を調整します。そこから片目ずつ閉じたときに両目と同じ見え方をしている方があなたの利き目です。
「ボール追いかけドリル」が高確率で成功するモデルは、あなたにとって間違いなく構えやすくて結果の出るパターです。人によってはマレット型よりもブレード型の方が、結果が良いなんてこともあるかもしれません。パターの構えやすさはグリーン上のスコアに大きく影響しますので、冬の“コソ練”ついでに、自分に合ったベストなモデルを見つけてください。
■深掘圭一郎
ふかぼり・けいいちろう/1968年生まれ、東京都出身。男子プロ屈指のショットメーカーとして長年シード選手として活躍し、ツアー8勝をマーク。現在は国内シニアツアーを主戦場にしつつ、ゴルフ番組のMCなど、多方面で活躍。フォーラムエンジニアリング所属
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