イチロー選手の打撃練習をしていると最初は軽いミートの流し打ちから入り、最後にはホールランをガンガン打っています。これは、ゴルフの練習でも言えることですが、小さなアプローチのスイングなどで基本を確かめて、基本が出来ているからこそ、最後は大きなスイングでホームランを打っていくという練習になっているのだと思います。
例えば、ゴルフなら30ヤード、60ヤードのスイングが出来てフルスイングが出来るはずなのですが、小さい基本のスイングばかりしていると、いざボールを遠くに飛ばす大きなスイングがしたくてもスイングが小さくなってしまい本来の気持ちの良いスイングが出来なくなります。よくあるのが、昔は飛んでいたという人が方向性やスイングの形を求める事により伸び伸びとしたボールを遠くに飛ばせるスイングが出来なくなり飛ばなくなって普通の人と変わらないような飛距離に落ちてしまう事です。
また、ゴルフを始めたばかりでスイングの形から入る人は将来的にボールを遠くに飛ばすことはほとんど不可能です。ジュニアゴルファーを教える時はここに注意しなくてはいけませんが、本人が気持ちよく振っているのであれば、形はどうあれそのまま気持ちよく打たせるべきなのです。
ボールを遠くに飛ばすということはある程度天性の生まれ持った素質、センスなのですね。ボールが飛ばないと悩んでいる人に限って真っ直ぐ飛ばすためにスイングを矯正して真っ直ぐに飛ばす練習をしています。ボールが飛ぶという人は、いかにボールを遠くに飛ばせ、気持ちよく振れるかという事を重点的に練習しています。どちらかに偏ってしまうのは良くないので、基本の形を覚える練習をしながら、気持ちよくボールを遠くに飛ばせる練習もしなくてはいけないのです。