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コース管理に夏季手当を支給するケースも……従業員への熱中症対策が義務化され、各ゴルフ場はどんな施策を打つ?

政府によって『職場における熱中症対策の強化』が、6月1日から義務化された。ゴルフ場では、この対策義務化を受けてどういった対応を進めているのか。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年7月17日 11時15分

ツアー会場でも選手、キャディともに熱中症対策を行っている様子が見られる
ツアー会場でも選手、キャディともに熱中症対策を行っている様子が見られる

すでに30度を超える気温が各地で観測されるなど、2025年も猛暑が予想される。巷でも熱中症から自分を守る方法を知り、対策をするのは当たり前になっているが、事業者は従業員に対して対策を取ることが求められる。

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政府によって『職場における熱中症対策の強化』が、6月1日から義務化。改正労働安全衛生規則施行に伴うもので、厚生労働省は熱中症の重篤化防止のために『体制整備』『手順作成』『関係者への周知』を、事業者に義務付けている。

あらゆる職場での対策義務化。ただ、天候の影響をそのまま受けるため、プレーヤーだけでなくスタッフの熱中症が起きやすいゴルフ場では、すでに対策を具体化させているところがほとんどだ。これが、政府による対策義務化を受けてどう強化されるのか。全体の傾向を日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の大石順一専務理事に聞いた。

「2年前くらいから従業員教育強化を行っているコースが多いです。まず、熱中症に対する知識を持ちましょう、ということ。それを社内的にルール化して訓練します。また、WGBT(暑さ指数)計測器を設置することも一般的になりました。従業員の水分補給、空調服(支給)なども行うようになっています。エアコンカート導入のコースも増えて、ゴルフ場側の意識が変わってきたと思います。氷の消費も増えているので、製氷機を2台に増やすコースも多くなっています」

もうひとつ、これはプレーヤーに関してだが、大石氏のこんな言葉も耳に残った。

「熱中症への意識が高まって良かったと思うのは、無茶をするプレーヤーが激減したことです。かつては、前夜に遅くまで飲んで、ほぼ寝ないでプレーするような人がたくさんいました。そんなことをする人は、もうほとんどいなくなりました」

熱中症に限らず、自らの健康リスクを高めてでも、無茶を自慢するような愚かさが蔓延した時代は確かにあった。しかし、リスク管理が当たり前の現代、そんな傾向が消えた裏には、熱中症についての知識が広まったこともある。

栃木県で、鹿沼CC、鹿沼72CC、栃木が丘CCの3コースを運営する鹿沼グループでも、対策強化に力を入れている。

「本年度は『職場における熱中症対策について』というマニュアル最新版を各コースへ配信・徹底しています」(同社広報)

昨年までに、コース管理スタッフに対してバッテリー長時間稼働タイプの空調服導入やドリンク支給、製氷機、ウォーターサーバーの設置、加えてコース管理に対しては夏季手当も導入していた。さらに今年は、報告体制や熱中症の恐れのある者に対する処置フロー図、重篤化防止措置の実施手順作成など、より具体的な対応が取れる準備をしているのが伝わってくる。

暑い夏でもプレーしたいゴルファーたちのために働いてくれるゴルフ場のスタッフたち。仕事とはいえ、熱中症の危険とは常に隣り合わせなだけに、対策義務化によってより安全が守られることを祈りたい。(清流舎/小川淳子)

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