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前田光史朗が新『T150』を即投入できた理由は「逆球が出ない」ことと「精密な3Dフィッティング」

なぜタイトリスト契約選手は「即投入」出来るのか? その答えの一端が明らかに。

配信日時:2025年7月16日 12時58分

7月11日に、タイトリストの新『T-SERIES』アイアンがついに正式発表された。既に国内男子ツアーでも多くの選手が投入済みだが、中でも前田光史朗のフィッティングの模様が興味深かったのでレポートしたい。
 

■国内初の「ツアーレベル」のフィッティングの総本山

 
お忍びで行われた場所は、ザ・カントリークラブジャパンの練習場に新設されたばかりの「タイトリストフィッティングセンター」。アマチュアでもツアーレベルの有料フィッティングが受けられる、国内の“総本山”で、男子ツアー担当の小林大三氏が前田の「全番手の現状」をチェックすることから始まった。

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同社のアイアンフィッティングでは【3つのD】が大事だと言う。第一にDistance Control(縦距離の精度)で、第二がDispersion Control(左右のバラつきの抑制)で、第三がDescent Angle(落下角度)。そのどれもが大事だが、ボール初速を均等にすること、適切なモデルを選ぶことで個々人に最適を導き出す「Distance Control」の部分で「前田プロの気になる問題を発見しました」と小林氏。
 

■前田の7番は飛び過ぎていた

 
「前田プロが使う前作の『T150』と新しい『T150』を打ち比べながら、番手毎のキャリーを下から全番手じっくり見ていきましたが、一つ気になったのは7番(キャリー185)が飛び過ぎていて8番(165)とのキャリー差が20ydあったこと。本人も『7番だけライン出しで抑えて打つことが多い』と言うので、1°ロフトを増やす調整でキャリー180に抑えて番手間のギャップを調整しました。7番だけ『T100』にする選択肢もありましたが、『T150』の1°寝かしで良い結果が得られました」(小林氏)

前田のエースアイアンだった、旧『T150』(左)、右が新しい『T150』

前田のエースアイアンだった、旧『T150』(左)、右が新しい『T150』

前田自身は新しい『T150』をどう感じたのか。
 

■精密フィッティングで課題が解決!

 
「前に『T150』を入れた時も『T100』のスピン量が多すぎてロスして悩んでいた時に【こんなのがあるよ】と言われ、練ラン後に打って木曜日にすぐ使いましたが、今回もやっぱり即決でした。最初は気持ち大きくなった8番の顔に『慣れが必要かな』と思ったりもしましたけど、打つと、逆球が全く出なかった。途中でわざと逆球を打ちにいったのに全然許容範囲だったし、芯を外しても曲がりに強いので。

右が新しい『T150』で、ヘッド長が約1mm前作(左)より大きくなっている

右が新しい『T150』で、ヘッド長が約1mm前作(左)より大きくなっている

約1㍉大きくなっても違和感もなく、持ち球のフェードがさらに安定したので即決でしたね。7と8の間が空いていた問題も、初速・スピン量・高さ・落下角も色々と細かく見てくれるので安心でした。自分一人じゃ分からない部分も多いので。7番のキャリー180ydに合わせてロフトを1°寝かせたことでいい顔にもなったし、抑えて打たなくていいので止められるし、すぐスイッチできるなと」(前田)

第一の「D」は、Distance Control(縦距離の精度)
第二の「D」は、Dispersion Control(左右のバラつきの抑制)
第三の「D」は、Descent Angle(落下角度)
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第一の「D」は、Distance Control(縦距離の精度)

我々アマチュアとは違って、第二のDの「左右のバラつき」や第三のDの「落下角」といった【3D】が元々揃っている前田。小林氏はツアーレベルではさらに、各番手のウィンドウや頂点の揃い方も確認・注視していた。「PGAツアーだと頂点は35ydくらいで、国内男子ツアーだと30~32yd前後で揃える人が多い」と言い、前田も新『T150』で31~32ydの間で安定していた。
 

■ツアーではロング番手の交換は頻繁

 
直近のPGAツアーでも『T250』の使用者が22人・29本を記録するなど、ツアーでは特にロングアイアン領域で頻繁にテストが繰り返される。これはトップ選手でも打出角や落下角を大きくしないと止められない状況も出てくるため当然だが、同社はT100/T150/T250/T350に加え、U-505/T250-Uの豊富な選択肢から「基本的には7Iに近い高さで弾道が揃うブレンドセット」を目指す方向でフィッティングするとか。

前作『T150』の9番のデータ
新作『T150』の9番のデータ
前作『T150』の8番のデータ
新作『T150』の8番のデータ
前作『T150』の7番のデータ
ロフト調整前の新作『T150』の7番のデータ
前作『T150』の6番のデータ
新作『T150』の6番のデータ
前作『T200』の5番のデータ
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前田も5番アイアンを『T200』から『T250』に替えて「球が上がりやすくなったし、キャリーが伸びる」と絶賛。小林氏も「前作の『T200』よりトウ側に打点を外しても左に巻く球が出づらいことを実感する選手が多い」と、ウェッジからドライバーまで長時間のテストを見守り、納得の様子だった。

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